室内マスク再着用指示が出始めた米国

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短かかったパンデミック前のような日常

今日の話題は久しぶりに新型コロナによるパンデミックの話です。アメリカでは大学も含めてすでにアクリル板はすべて外され、人々はマスクを取ってパンデミック前と同様な生活を謳歌していました。室内でマスク着用している人はまた少数派となり、奇異な目で見られるようになりましたが、こちらがまた主流派になるかも、です。

室内マスク着用を再義務化@フィリー

先週書いたブログの通り、4/2から4/5まで学会でフィラデルフィアに行っていました。

事前にワクチン接種完了証明を提出した人だけが現地での学会参加を認められ、学会中も強くマスク着用を推奨されていました。では皆、室内にいたときにマスク着用していたか?というと、ざっくり半分ぐらいだったでしょうかね。ポスター発表なんかは隣と近く十分な密でしたが、学生さんが多く発表していたこともあり、マスク着用率はさらに低かった気がします。

それから1週間後、昼間にニュースを聞いて驚きました。

Philadelphia becomes first major US city to reinstate its indoor mask mandate as cases rise

(感染者数が増えたため、フィラデルフィアは室内マスク着用を全米の主な都市で一番最初に再び義務化)

電車の中ではまだマスク着用が(たぶん)義務でしたが、レストランとかはもう全く普通だったんです。それが室内の公のスペース、レストランだけでなく学校などでも再義務化とのこと。実際の施行は18日となっていますが、知事は「今日から始めて下さい」と言っています。

理由としてはここ10日間で絶対数はまだ少ないものの50%以上感染者が増加したとのこと。フィラデルフィアでは3月2日にマスク義務化を解除しましたが、1ヶ月ちょっとの小休止でした。学会参加者が持ってきた、とは思いたくないですが、滞在中は買い出し後、ホテルで一人ご飯を食べたのが良かったのかも知れません。帰ってきて1週間経過しましたが何も問題はないです。

2度目のブースターどうする?

先々週、アメリカでは前回のブースター接種から間隔が開いた50歳以上、そして免疫が低下している、もしくは薬で低下させている人を対象に2度目のブースター接種を承認した、ということを書きました。

実際にCVSやWalgreenなどの薬局で提供が始まったようです。

CVS, Walgreens, Albertsons now offering second COVID-19 booster shots

年齢的にも前回接種との間隔的にも私は適用になりますが、今回はまぁどうしようかな、と思っています。前回も紹介しましたが、私が読む限り2度目のブースター接種効果はどうも劇的ではないです。

Efficacy of a Fourth Dose of Covid-19 mRNA Vaccine against Omicron(アメリカの例)

アメリカの臨床は比較的若い医療従事者が対象で、高齢の方を含んでいません。4ヶ月経過して落ちた中和抗体価が2度目のブースターで1度目のブースター直後ぐらいまで上がるものの、今度はあまり持続しないように見えます。

また最近出たイギリスの臨床結果も合わせて読みました。こちらは1度目のブースター接種の効果持続状況を追ったものです。

COVID-19 vaccine waning and effectiveness and side-effects of boosters: a prospective community study from the ZOE COVID Study(イギリスの例)

こちらは多少高齢の方がいて平均年齢は52-56歳となっています。グラフも55歳を境にして、効果の変化具合の違いを示しています。私が接種したファイザー製を見ると、55歳以下なら多少効果は落ちるにせよ、8ヶ月経過しても十分に保っているように見えます(Figure 1参照)。少なくとも重症化は防いでくれそうです。

結論を言うと、私の場合もともと副反応はほとんどなく安全性を心配している訳ではないですが、大学も春休みを除くとあと2週間ちょっとで終わり、普段オフィスが個室で、実験室でもまず人と接触することがないことを考えると、急ぐ必要はないかなぁと漠然と思っています。あくまでも私見ですので鵜呑みになさらぬようお願いします。

判断の根拠は?

WSJの記事だと今後は感染者数より入院患者数の増加に注目したほうがいい、と言う指摘がありました。ホーム検査キットが普及して、陽性と出ても保健所には報告しない事例が多く、例えばニューヨーク付近だと実際数は4-5倍と見積もられているからです。

The BA.2 Variant Is Spreading. Do You Need to Worry?

それでも感染者数が前の週と比べ50%以上増加したら赤信号だ、という論調も上の記事にあり、確かにフィラデルフィアはその状況に当たるのかも知れません。実際のところまだ入院患者は増えていないようですが、この数に変化があるか判断するのは少し時間が必要なようです。

結局のところこの記事でも対策をとる、つまり必要に応じて室内でのマスク着用や距離の維持など予防に努めることを推奨しています。つまり活動を維持するためにお互い協力しましょう、ということですが、それがこの国の人は出来ないから結局は感染が広がって支障が出る、の繰り返しになると予想します。やれやれ。

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