【アメリカ】政治的信念だけでは説明されないワクチンを躊躇する層ー若い人たち

Younger generation mingles
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パンデミックの早期収束に向けて必要なこと=相互理解と協力

やっぱりルイジアナでもワクチン余り始めてた

レイクチャールズでの話

昨日、ワクチン接種を躊躇、拒否している人が多い州とそうでない州のことを書きました。

私がいるルイジアナでは具体的なニュースがなく、噂でしかワクチンが余っているという話が聞けませんでしたが、少なくとも隣町レイクチャールズでは本当だったようです。

ワクチン摂取場所を提供している薬局の方が以下のように話をしています。

We were averaging three to four hundred vaccines a day, and since the threshold in which the age group has moved down, past 45 years of age, the demand has completely fallen off.(1日平均300~400本のワクチンを接種していましたが、45歳を過ぎて年齢層が下がったことで需要が完全に落ち込んでしまいました。)

Younger people are less interested in getting the vaccine here, frankly. However, this is the most important thing that we need to remember, the vaccine, we’ve gotten too much of it. We’ve gotten too much vaccine, and the demand has fallen off.(若い人たちは率直に言ってここでワクチンを接種することにあまり関心がありません。しかしこれは最も重要なことですが、私たちはワクチンを入手しすぎました。ワクチンがたくさんあるのに、需要は落ちてしまいました。)

さらに気になるコメントが次の段落にありました。ワクチン接種の年齢制限がなくなって予約が増えても、2回目のワクチン接種を躊躇してしまうんだそうです。

They make the appointments for the second dose the same day recipients receive their first vaccine. However, they’ve seen an increase in last-minute cancellations and no-shows.(2回目の接種の予約は1回目のワクチンを接種した日に行っています。しかし直前のキャンセルや無断欠席が増えてきています。)

ビジネスの世界でもそうですが、アメリカ人のドタキャン、無断欠席する割合は日本のときと比べて多いです。あとで問い詰めると決まってもっともらしい言い訳しますが、大抵の場合嘘です(注:個人差があります。)約束を守らない、そのくせ謝らず自己弁護する文化に私は辟易していますが、これがアメリカン・スタンダードで仕方ないと理解するようにしています。受け入れ難いですけどね。

州としての対応

州としてはワクチン接種を躊躇する人がいるのを理解し、それでもそれを促すように工夫しているようです。

ルイジアナの状況は、というと、、、

State surveys indicate 40% or more of Louisiana residents are hesitant about getting the vaccine or entirely unwilling to do so. And while Louisiana is administering doses at rates greater than some other Southern states, it remains among the bottom six in vaccinating adults 18 and older, according to the U.S. Centers for Disease Control and Prevention.(州の調査によるとルイジアナ州民の40%以上がワクチンの接種を躊躇しているか、全くしたくないと答えている。またCDCによるとルイジアナ州は他の南部の州よりも高い確率でワクチンを接種しているものの、18歳以上の成人に対するワクチン接種率は依然として下から6番目に留まっている。)

想像に難くない状態です。で色々なところで接種を促すキャンペーンを張っているようですが、さすがルイジアナというものがありました。音楽とお酒を提供するバーに会場を設置し接種した人にはそこで一杯奢る、というものです。なるほどこれなら接種後少しぐらい頭痛や吐き気がしても、ワクチンの影響かお酒の影響かわかりません(注:冗談です)。それだったらLSUかセインツの試合のチケットが当たるとかサインがもらえる、って言ったらもっと接種が高まる気がしますが協力は得られないのでしょうか。

ワクチン接種を躊躇する世代:若い人

昨日の記事ではどのような政治的信念を持った人がワクチン接種を躊躇しているか紹介しました。そのような考え方を持った人は比較的年齢が高くて田舎に住む保守的な層だと思っていましたが、必ずしもそうではなさそうです。年代的に見ると一番接種を拒否しているのは若い世代のようです。

記事にも指摘されていますが、ウイルス流行を牽引しているのはおそらくこの年齢層なのに、接種したがらない傾向は非常に危険です。私が以前在籍したことあるクイニピアック大学の調査によると、、、

Among those adults under the age of 35, 36% say they don’t plan on getting a Covid-19 vaccine. That’s higher than the 27% overall and much higher than the 10% of senior citizens who say they won’t get a shot.(35歳以下の成人のうち36%が「COVID-19ワクチンを接種するつもりはない」と答えている。これは全体の27%よりも高く、また予防接種を受けないと答えた高齢者の10%よりもはるかに高い。)

他の調査でも先月「接種をするつもりである」と答えた30歳以下の層は49%に留まり、全体の61%より低く、さらにシニア層の81%よりはるかに低いというデータが発表されています。

この若い年代層はソーシャルディスタンスを取る割合も低いことが判明していて、問題に拍車をかけているということです。つまりワクチン接種をせず、社会的距離を保たず動いているために、現在この層から多くの感染者を出している原因ではないか、と推測されています。事実CDCによれば感染者が多いのは昨年夏以降30歳以下です。

% infected sorted by age

記事では党派や人種によるワクチン接種率の違いがよく注目されるが年齢による違いはまったく別の問題である、と指摘しています。なぜなら若年層の有権者はバイデン大統領を圧倒的に支持しているからです。そうなると原因は何でしょうか?一つの案としては公衆衛生担当者の情報がTikTokやインスタグラムを愛用するこの層(英語ではGeneration Zと呼ばれ、1990年代半ばから2000年代前半生まれで年齢的には18歳から24歳ぐらい)に届いていないのでは?とのこと。

調査によれば21%がワクチン接種を受けず、34%がしばらく状況を見守る予定とのこと。確かに違ったアプローチでなぜ彼らも接種すべきか伝えないといけなさそうです。私も機会があれば授業の中で議論してみても良さそうです。

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