【2023年夏】ビッグベンド国立公園への旅、その3ートレイルその1

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ロスト・マイン・トレイル(Lost Mine Trail)を完歩

先週から教員は秋学期に向けて業務を再開し、会議や準備に追われています。実際に授業が開始されるのは21日ですが、いろいろとやることがありました。

真夏でも可能なトレッキング・ルート

翌朝いつもより早く起きて(=7時)、外に出てみると意外と涼しい。昨日の夜もそうでしたが、明らかに下界と気温が違いました。風もあって感覚的に80Fを切っている感じでした。この数字はweather.comなどで確認できるビッグベンド国立公園付近の予想気温より低かったです。

Big Bend国立公園のウェブサイトによると、午前中ならトレイルをトレッキングしても良さそうなので、部屋で簡単に朝食をすませて予定していたロスト・マイン・トレイルを歩くことにしました。

ロスト・マイン・トレイルは標高差1100フィート(約335m)、往復の距離は4.8マイル(約7.7 km)です。時間がない方、体力に自信がない方は最初の1マイルだけ登っても雄大な景色を眺めることが出来ると紹介されていました。

その入口はチソス盆地の宿から車ですぐの場所にありました。

山の中を歩くので木々があり、木陰も期待できます。この国立公園内でも人気のトレイルらしく、過去にも多くの日本人の方が登り、ブログで状況を記していました。例えば、、、

服装・水・虫や動物対策

8月で暑いこと、そして直射日光があたることを考えて、SPFが高い化繊の長袖のシャツと長ズボン(North Face製)、そして帽子を被って歩きましたが、周りの方々は普段着の半そで短パン、ひどい場合はサンダルという人を少なからず見かけました。朝早く(9時半前までぐらい)のトレッキングなら、トレイルはまだ日が当たらずほとんどが日陰だったので、これでも問題ないかとは思います。

水はトレッキング1時間あたり1リットル持参を推奨、と国立公園のウェブサイトに書いてありました。私どもは往復3時間程度のトレッキングを予想していたので、一人3リットル(ペットボトル6本)を用意して登りましたが、半分程度の使用でトレイルを往復することが出来ました。午前11時半すぎにトレイルから出ましたが、気温は80F後半、しかもほとんどが日陰だったので、この程度の使用量ですんだのだと思います。

長袖・長ズボンを使用したので、日焼け止めは顔と首の後ろのみ塗りました。ハエや蜂対策に虫よけスプレーも軽く身体にかけて登りましたが、トレイルはよく整備されていて草や枝をかき分けて進むような場所はなく、必要性はあまり感じませんでした。

この辺りは熊(black bear)やピューマ(mountain lion)も出るときは出るようですが、どちらかというと高い場所ではなく、低い場所(=Windows trail)で目撃情報が多いらしく、特に対策はしませんでした。出会ったら後ろ向きに逃げず、自分を大きく見せて大きな声を出し、彼らがいなくなるのを待て、とウェブサイトに書かれていたので、そのようにするつもりでした。

このような看板がある所では野生動物にも注意

トレッキングの様子

ガイドや多くの方が言っているように、トレイルに入る入口に駐車できるスペースがあるものの、広くはありません(10台ぐらい?)。自分の場合午前8時ぐらいに行きましたが、すでにかなりのスペースが埋まっていました。繫茂期は駐車の順番待ちになるそうですので、時間通りに登りたい方は朝早く行くことをお勧めします。

さて入口からトレイルに入りましたが、すぐに登りになります。普段平地しか歩いておらず、そこそこ急だなと思いましたが、後半の坂に比べると穏やかでした。木々があり、日が昇っていても山を越えていないので、歩道全体が基本日陰でした。

確かに1マイルぐらい歩くと、右側に「Lookout」と書かれたビューポイントがありました。小さな岩の上から景色にカメラを向けると、以下のような写真が取れました。山々を背景にJuniper Canyonという峡谷が見えます。

南方を望むとJuniper Canyonが目の前に広がる

この場所を超えると段々坂が急になっていきました。そのうち「switchback」と呼ばれるジグザグになった坂を上っていくことになりました。歩行者の負担を減らすために、そのような歩道にしたと思われます。自然を守るためにジグザグの道のショートカットはしないで、という看板もありました。

岩で出来た階段が続く

ジグザグの歩道をひたすら登っていくのですが、この付近は道が狭いです。すでに下りてくるグループもいて、お互い道を譲りあうことになります。これのスイッチバックを登りきると、大きな岩が現れました。

著者を電子的に消したので、岩の右側は歪んでいます。ご了承下さい。

どうやらこれがジグザグの道の終わりらしく、傾斜のきつい箇所を登り終えたことになるそうです。標高も上がり、かなり頂上に近づいてきた感じがあります。

かなり登ってきた!

ジグザグの道に比べれば緩やかな坂を上っていくと、頂上と思われる地点につきました。

ついに頂上か?

ここには大きな岩があり、その岩陰で休んでいる方や写真をとっている方もいらっしゃいました。しかし先をよく見ると、比較的樹木の少ない尾根に沿って続いていることが分かりました。行かない手はありません。後で調べるとここは「Alt Peak(代替の頂上)」と呼ばれる場所でした。

この尾根ですが、滑りやすそうな赤い岩で出来ていて、左右は滑ると崖となっており、歩くには細心の注意が必要です。(参照:http://www.texashiking.com/Pictures/ShowImage.aspx?PictureID=938)

滑りやすいので注意

前を向いて足元に気を付けて尾根を歩くと、最終的な頂上に着きました。頂上からの景色は以下の通りです。

頂上からの南ー西側の風景、カサ・グランデは一番右側のピーク
上の画像とは反対側の画像、恐らく北東方面

しばらくここで景色を見ながら休憩し、水やスナックを食べました。10時近くになり、だいぶ日差しが強くなったので、速やかに山を下りることにしました。

厳密にいうと、ロスト・マイン・トレイルの最終地点はロスト・マイン・ピークの頂上ではありません。トレイルの終点にある無名のピークに向かって進むと、左手にトレイルの名前の由来となった山が見え登れるようですが、実際にピークにたどり着く人は年間に10人もいないそうです。恐らくここからは道も整備されておらず、登るのも十分な装備の元、自己責任のためと思われます。
ロストマインの地図

帰りは同じ道を戻り、基本ずっと下りでしたので、無理なく降りてこれました。行きに色々と写真を撮ったので、帰りはさっさと道を進めましたがハプニングが一つだけありました。

トレイルのすぐ横で食事中

ガサっという音がした方向を見たら、すぐ近くで鹿が草を食べていました。立ち止まって見ていたのですが、こちらに気づくとすぐに立ち去って行きました。食事中だったのにご免よ。アメリカに来て何度も鹿を見たことはありますが、これだけの近距離で見たのは初めてでした。方角的に逆光でしか写真を撮れなかったのが残念でした。

この後も順調に山を下り、無事駐車場に戻りました。色々なところで立ち止まっては写真を撮ったので旅程は3時間半ほどになりましたが、この時点でも90Fを超えているとは思えず、快適なトレッキングでした。

まとめ

ウェブページやガイド本にある通り、ロスト・マイン・トレイルの難易度はそれほど高くないものの、頂上や途中からの眺めは絶景で、お勧めできるルートです。付近は記録的な高温(100Fを優に超えていた)の中で、山の中は午前中なら90F以下、日陰も十分にあった場所で、真夏でも唯一全行を楽しめる数少ないトレイルの一つではないでしょうか?

後でレンジャーさんと話しましたが、それでも長袖を着て帽子をかぶり、十分な水を確保して歩くことを推奨します。今回私は鹿に会ったのみですが、このトレイルで熊の目撃情報が同じ月でも数回上がっていたので、登山前には対処方法を熟知しておいて下さい。ちなみに携帯電話ですが、頂上付近以外は弱いですが電波を拾っていました。テキスト・メッセージなら使えるはずです。

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