米議会議事堂ツアー: 歴史ある空間の紹介

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US Capitolの秘密に迫る?!

4月11日午前中に岸田首相の演説を聴いた後、議員のスタッフの方が国会議事堂内を案内して下さいました。写真が取れる所、取れない場所がありましたが、共有したいと思います。なお米国議会議事堂にはビジターセンターがあり、一般の方が月曜日から土曜日の午前8時半から午後4時半までツアーに無料で参加可能です。当日参加も出来ますが、一般に事前予約したほうが確実だそうです。

下院側

下院議長のオフィス

最初から案内係のスタッフは気前が良く、Speaker’s officeとそのバルコニーを見せてあげる、と言ってくれました。現在下院のスピーカー(議長)はジョンソンさんでルイジアナ州選出であることも関係しているのかも知れません。「一般人は立ち入り禁止」という標識を堂々と無視し、そちらの区域に入っていきました。しかしドアのすぐ近くでガードマンに止められました。聞くとスピーカーが在室しているので、無理とのこと。それは無理だな、と納得して次の場所に向かいました。

National Statuary Hall(国立彫像ホール)

上に上がると2階建ての半円球の空間に出ました。彫像がたくさんある場所でした。元々は下院の会議場だったそうです。確かに広い空間です。

現在は50州から寄付された100点の彫像のうち35体がここに展示されているとのこと。ルイジアナからはHuey Pierce Longさんのそれがありました。でも誰?

2024年4月11日、本人が撮影

別に政治家とかでなくてもいいらしいので、将来的にはペイトン・マニングかイーライ・マニングの像が展示されるといい、と私が提案すると案内してくれたスタッフの人も同意してくれました。ルイジアナと言ったらフットボール、有名人って言ったらマニング家でしょ

元々が下院の会議場の名残で、エイブラハム・リンカーンの机があった場所に記念碑もこの空間にありました。ケンタッキーに住んでいた時、彼が生まれた場所とされる国立公園に行った時のことを思い出しました。

リンカーンってイリノイ州選出の下院議員でした

議事堂中央

クリプト(Crypt)

国立彫像ホールの横にあるロタンダ(Rotunda)というメインの場所が混んでいたので、一旦下の階に降りました。クリプトという40本の円柱と彫刻がある空間でした。柱は上の階にあるロタンダの床を支えているとのこと。彫刻は建国当初の13の植民地を代表する人のものだとか。

右側に円柱が見える

確かに星印やエイブラハム・リンカーンの頭部の彫刻は見かけました。しかし合衆国憲法の基礎となったマグナ・カルタのレプリカがあったはずですが、記憶にないです。私は何を見ていたんでしょう?

初代大統領の遺体を収める空間

折角だから、ということで階段をまた降り一般人立ち入り禁止場所に連れて行ってくれました。上に書いた「クリプト(Crypt)」という場所の中心に星印があったのですが、この星印の下(=地下)に現在公開してない場所があるとのこと。訪れた場所は初代大統領であるジョージ・ワシントン(と妻)の遺体を収める予定であった空間でした。

鉄格子の扉の向こうに棺が展示されていました。

Washington’s Tomb

ジョージ・ワシントンは王のように神格化されることを望まず、家族は申し出を断りました。結果彼の遺体は予定された墓地に葬られているので、そこには現在誰の遺体も収められていないそうです。しかし場所が地下で陰気な場所にあり、写真を取る気にはなれませんでした。

ロタンダ(Rotunda)

気を取り直して一番上の階に戻りました。ロタンダ(Rotunda)という場所で、直径約29.3メートル、高さ54.9メートルもの大きな円形の空間です。皮肉にも数年前に誰かさんを支持するやんちゃな抗議行動で多くの人がなだれ込み有名になりました。

向かって右はリンカーン?

この場所は逸話があって説明を受けたのですが、色々ありすぎて全部覚えていません。確か天井には初代大統領を崇める絵、横には色々とアメリカの歴史に纏わる絵となっているようです。

天井を見上げた図

ただ一つだけこの逸話だけは覚えているので紹介します。下の画像右手、アメリカ独立宣言(Declaration of Independence)という題名の絵です。

正確には5人の起草委員会が宣言文の草案を議会に提出する場面を描いたものだそうですが、この草案を提出してる手前の二人に注目して下さい。一番手前の人の右足がその後ろの人の左足を踏んでいる(もしくは踏んでいるように見える)のです。

丸印の部分に注目

右がトーマス・ジェファーソン、左はジョン・アダムスなのですが、案内してくれた人によると政治的に二人はライバルで、仲が良くなかったからこのように描かれたという話でした。二人共大統領になりましたけどね。真相はいかに。

上院側

Small Senate Rotunda

ルタンダを出て上院側に向かうと、上院の小さなロタンダ(Small Senate Rotunda)に出ました。この空間は廊下に光を照らすとともに、そこに面する部屋に空気を循環させる目的があったそうです。

シャンデリアが綺麗

この豪華なシャンデリアですが元々は1903年にヨーロッパから輸入され、ここには1965年に設置されたとのこと。およそ14,500個の水晶から出来ていて、重さは約2,000ポンド(約907kg!)だそうです。

Old Senate Chamber

Small Senate Rotundaを抜けて次の部屋、旧上院会議場(Old Senate Chamber)を見学しました。ここはこの議事堂の中でももっとも古い建造部分の一つ、と説明を受けました。

議員席、確かに家具は歴史を感じる
たぶん議長席

現存の旧上院会議室は1819年に完成され、その後40年使用されたとのこと。その次に最高裁として75年間使用され、その後は1976年に修復されるまでミーティングルームとして使われていたそうです。

確かに1859年ー1935年は最高裁として使われた、と書いてある

きっとここで歴史的にも残る色々なことが議論されたんでしょう。

議事堂内の地下鉄乗車

すべてのツアーが終わり議員オフィスに戻りました。そこで再度招待してくれた議員にお礼を言って帰ろうとしたのですが、外はポツポツと雨が降っていることに気づきました。するとスタッフの一人が

「ユニオン・ステーションに一番近い出口まで(地下経由で)送ってあげる」

と申し出てくれました。つまり議員事務所のある建物(Cannon House Office Building)から国会議事堂を経由し、駅に近い上院の建物(Russell Senate Office Building)まで連れて行ってくれる、というのです。建物内を通るので、これなら雨に濡れることはありません。

エレベータで地下に降りた後、朝通った国会議事堂へのトンネルをもう一度通過しました。そして上の階には出ずにどこかに向かって歩くので、ついていきました。すると驚いたことにちょっとした駅に出たのです。

THE SUBWAY BENEATH THE US CAPITOL IN WASHINGTON D.C.より掲載

どうやら国会議事堂と上院・下院のオフィスをつなぐ地下鉄が走っているそうです。これで目的地であるRussell Senate Office Buildingまで行こう、とのこと。写真をとることを忘れたことが悔やまれますが、以下の動画にある電車に乗りました。乗っている時間は1分程度であっと言う間でした。

国会議事堂のツアーに参加は出来ても、関係者でもない一般の日本人がこの地下鉄に乗ることは珍しいのではないか、とちょっと優越感に浸れました。案内してくれた人に感謝です。

下車後、今度は地上階に出て少し歩き、無事一番駅に近い出口に到着しました。ここでスタッフさんに丁寧にお礼を言いお別れとなりました。貴重な経験が出来ました。

終わりに

この後自分の学科の教員候補者とZoom面談があったので、すぐにホテルに戻りました。これがなければ展示ホールやお土産コーナーなどをゆっくり見学出来たのですが、残念です。

地下鉄が国会議事堂の周りを迂回するのは、恐らく国会議事堂やその付近の建物が地下で繋がっているからかな、と思いました。地下道の主な分かれ道には必ず人がいて、必要なバッジや許可証をチェックしています。事実、私が反対側にある上院の建物に行く時も通行バッジを取得し、お別れする時には案内してくれた方に返却しました。まだまだ行ってない方角に道はあったので、国会議事堂の地下はそれこそ網の目のように張り巡らせている可能性が大です。

米国会議事堂ツアーの日本語パンフレットはこちら

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