今年はアイビーリーグの大学も共通テスト(SATもしくはACT)の成績要らず

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まとめ:パンデミックのため今年は全米の大学で共通テストの成績提出を免除されているようです

今年の大学出願で変わったことありますか?

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パンデミックにより米国大学の出願書類に変更あり

 

共通(標準)テストの成績の傾向

先週、私が勤務する大学でも入学希望者数を増やすためにSAT(Scholastic Assessment Testの略)やACT(American College Testの略)など、共通テストの成績の提出義務について教員会議で議論があったことを書きました。すでに学部としては大学院入試でGRE(Graduate Record Examination)のスコア提出を廃止しましたが明らかに弊害が見受けられたので、私個人としては反対の意見を出しました。私の感覚では共通テストのスコアがないと入学前に在籍した学校や学生の質による成績のばらつきを評価できず、また普段成績が良くなくても共通テストで実力を出せるある意味伸びしろがある生徒を拾えないと思うからです。

2021年度の変更点

しかし、どうやら世の中の流れはそうでもなさそうです。

Ivy League Colleges Report Dramatic Growth In Early-Admission Applicant Pools

WSJ(ウォールストリートジャーナル)の記事によると、8つのアイビーリーグに属する大学を含む1500もの大学で、今年は共通テストのスコア提出を免除しているようです。パンデミックにより受験生がこれらのテストを十分に受けられない状況が続いているための処置、と説明されています。日本と違い共通テストは何度でも受けられ大学は一番いいスコアのみを採用するのですが、(私は本来すごく出来るのに)十分な回数を受けられなかったため不利になった、不合格になったと後で訴えられかねないので、大学側が先手を打ったのかも知れません。

上の記事でも指摘されていますが、逆に普段成績が良くても総合的なテストに弱い生徒が今年は入れるかも?と思い、アイビーリーグの大学に多く出願しているようです。また大学側は通常、キャンパスを訪問出来る生徒のみに直接リクルートをかけていましたが、今年はオンラインで幅広く勧誘できたことも志願者増につながっているのでは、と考えています。

大学の合格形式は1つではない

以前指摘した通り米大学の合格には色々な合格があり、合格を受けとる時期も優先度によって違うのですが、今回はEarly-admission (ED)applicationsと呼ばれる早い時期に第一希望の1校だけに出願する制度で、合格した場合は大学から提示された奨学金パッケージでその大学に進学しないといけません。日本で言ったら高校の単願に近いイメージです。大学側としては合格を出せば生徒が入学しますし、生徒側としては一般的な選抜時期よりも基準が緩くなる分合格する確率が少し高くなるので、ED applicationは双方にメリットがあります。

Early Decision & Early Action

ただパンデミックによりこのサイクルでの志願者が増えたため、ハーバード大学では合格率が昨年の14%から7.4%、イェール大学では14%から10%からに減少したそうです。絶対的な数で言えばハーバード大学は去年6,424人の出願者に対し895人に合格を出しましたが、今年は10,086人に対し合格は747人だったそうです。結論を言えばこういったトップ校に限って言えば、共通テストのスコア提出あるなしに関係なく、合格を勝ち取るのはやさしくないようです。

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