ガソリンの値段が上がり続ける訳

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新しいオミクロン亜種流行とエネルギー需要逼迫

3月から中間管理職になり、今少し落ち着いたところで管理職のためのトレーニングをオンラインで受けています。なかなかよく出来ていてアメリカで初めてまともなトレーニングを受けているな、と感じています。一方でアメリカならではトピックにも触れ、勉強になります。例えば以前ここでも紹介した乱射事件での対応とか、部下が薬乱用している場合の対処方法とかです。

お酒に依存する人は「disability(身体障害)」と呼び、違法薬物乱用にする人にだけ「addictive(中毒)」と呼ぶのも初めて知りました。「アルコール中毒」という言葉を職場で使うのは厳密的にいえば違法、といった感じです。知っていましたか?

米国ではBA.4、BA.5種が少しずつ主流に

5月の終わりにアメリカではオミクロン株でもBA2種からBA.2.12.1種が主流になった、という記事について記しました。

流行は儚いようで、今度はBA.4、BA.5種が伸びてきているようです。

BA.4, BA.5 Variants Rise Among U.S. Covid-19 Cases

今度は何が違うの?と思いますが、記事にはこう書いてありました。

Evidence suggests the variants are yet-more contagious versions of Omicron, public-health experts said, that may be able to evade some of the immune protections people built up from infections triggered by another version of Omicron during the winter.

WSJ

(専門家によるとこの変種はさらに伝染力の強いオミクロンであり、冬の間に別のオミクロンによって引き起こされた感染から人々を守る免疫の一部を回避しうる。)

https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportionsより

6/4の段階で数字的にはBA.4種が5.4%、BA.5種が7.6%程度のようですが、今後数週間から数ヶ月のうちに、オミクロン株の支配的な系統になる可能性がある、と指摘されています。

個人的に興味深いと思ったことは、BA.4とBA.5の割合が最も高い州はテキサス、ニューメキシコ、オクラホマ、アーカンソー、ルイジアナだとのこと。今回は南部がアメリカの発生源なんでしょうか?逆にニューイングランド地方が最も低いようです。北東部はこれから流行るのかも知れませんね。

Sタンパク質のL452Rという変異場所がこのBA.4、BA.5種に特徴だそうで、元々はデルタ株に特徴的な変異部位だったそうです。先祖返りしたんですかね?

もっともどこの記事を読んでも毒性が高まったという話を耳にしなかったので、出来る範囲で感染対策しながら動くことにします。少なくともアメリカの感染数はすでに当てになりません。

ガソリンの値段

1ガロン5ドル超え?

どこもかしこもガソリンの値段が上がっているかと思いますが、アメリカも例外ではありません。今日近所のコストコで入れたところ、1ガロンあたり以下の値段でした。

2022年6月9日のガソリンの値段@Costco

恐らく他州の人から見れば「安い」というかも知れませんが、その分ここは給料も低いのです。燃料タンクの3/4ぐらい補充したのですが、支払額が60ドル近くて驚きました。ハイオクじゃないですからね、レギュラーでです。

アメリカはガソリン自給出来るし、ロシアから原油もほとんど買っていないのになぜ?と思いますが、同様に不思議に思っている人は少なくないようです。

Why US gas prices are at a record, and why they’ll stay high for a long time

6/6の全国平均は1ガロン(=約3.78リットル)$4.87と書いてあります。さらにその平均は今後2週間以内に1ガロン5ドル、labor day(労働者の日?)である9/5までに6ドルに達することもある予想されています。今後は車も気楽に乗れなくなるのでしょうか(涙)。この時点でアラスカ州、アリゾナ州、カルフォルニア州、ハワイ州、インディアナ州、ミシガン州、イリノイ州、ネバダ州、オレゴン州、ワシントン州及びワシントンDCで平均価格が5ドル超えているとのことです。

原因?

夏休みに入り、家族で旅行するなど需要が増えるのでこの季節ガソリンが上がるのは毎年のことです。しかし上がり方が尋常でない。理由として以下の4つのことが指摘されていました。

1. ロシアのウクライナの侵攻

ロシアは世界で最大の石油輸出国の一つであり、昨年12月には約800万バレルの石油とその他の石油製品を世界市場に送り出し、そのうち500万バレルを原油として輸出していた。米国への輸出はほとんどないものの欧州に60%が行っていたので、禁輸措置により世界の商品市場で他の分が取り合いになり、価格が高騰している。

2. 中国のロックダウンが終了

新型コロナ感染が減り始めロックダウンが解除されると、供給が増えないまま需要が増えるため価格の上昇につながっている。(それでも中国はロシアから原油や石油を多く買ってないの?とは思います)。

3.他の資源からの石油やガス生産の減少

世界的なパンデミックにより一時期需要を圧迫し、原油価格は下落した。原油原産国は減産し、需要が回復しても生産目標を低く抑えていた。米国の石油会社にこのような縛りはないものの環境規制の強化により将来の需要減少を懸念した。実際規制は縮小したり立法すらされなかったものの、彼らはパンデミック前の水準で石油生産を再開することを躊躇したり、しようにも出来なかった。なぜなら石油会社は他の何千もの米国企業と同じようにサプライチェーンや雇用の問題に直面し、生産規模拡大には時間がかかるからとのこと。

また金融界からは配当金を払い、もっと自社株買いをするよう圧力がかかっているため、会社経営者も株価を上げることを気にしもっと採掘しようと考えていない、とも指摘されています。

原油生産量だけでなく、米国の石油精製能力も低下しているとのこと。現在ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料などの石油製品に加工できる石油精製量は1日あたり約100万バレル減少しているそうです。またディーゼル燃料やジェット燃料の価格がガソリン価格よりもはるかに上昇しているので、製油所がガソリンよりそのような製品を多く生産して儲けたいという大人の事情もあります。アメリカやカナダの石油会社は今欧州でより高く原油が売れるので、ビジネス的にそちらにもっと売って稼ぎたいという事情もあるそうです。さすが自分の懐だけが大事な国の人たちです。

4. ガソリンの高い需要

歴史的な低い失業率に支えられ仕事のためにオフィスに戻る人が増え、夏休みでさらに需要が増加中とのこと。

米国の航空会社は、運賃がパンデミック前の水準を上回っても夏期の旅行予約は非常に好調と報告しています。

ただしここで解説している人はロシアのウクライナ侵攻以前から記録更新を予想していたとのこと。それが今では「どれだけ記録を更新するか」が問題だと指摘していました。うーむ。

結論

自分自身の収入を上げないといけません。それしか思い当たる節がありません。

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