1月はインフレ率も消費も上がった摩訶不思議
土曜日に依頼された論文の査読を提出したので、比較的健やかな日曜日を送ることが出来ました。南カルフォルニアでは珍しく雪が積もったそうです。
Massive winter storm that brought rare snow to parts of California now moving east
パサディナって大昔に行ったことあるのですが、あそこに雪が降るなんて考えられません。
インフレ下で購買意欲はどこから?
2023年1月の物価
一時から少しは穏やかになったとは言え、1月は昨年と比べて6.4%価格が上がり、12月と比べても物価が0.5%上昇したという報告が先日上がっていました。
Inflation eased again in January – but there’s a cautionary sign
確かに卵は高くなりましたし、ガソリンもしれっと上がっています。
消費者の反応
ところが、です。インフレ下にも関わらず、アメリカ人は車を買い、レストランで食事をしているようなのです。個人消費は1.8%上がったとか。
Despite high inflation, Americans are spending like crazy – and it’s kind of puzzling
通常消費者の購買意欲が上がることはいいことらしいのですが、連邦準備理事(FRB)はさらに積極的に利上げをせざる得なくなるかも、と警告されています。
アメリカ人の消費習慣
この状況に対し、NPRは以下のような分析をしています。
1つ目、好調な雇用と賃金の上昇により多くの人々が使えるお金を蓄えているとのこと。労働者だけでなく退職者も今年昇給があり、1月の社会保障給付は8.7%増で、過去40年で最大の生活費増となったそうです。
2つ目、パンデミックの初期に消費機会が制限された一方、政府が何度も救済金を配布していたため、多くの人が余分な貯蓄を蓄えていたから、とのこと。銀行残高は減少しているが、米国人はまだ多くの追加資金を保有しているそうです。自分には当てはまりませんが、そうなんでしょうか。例えばラスベガスへの旅行者数は昨年と比べて20%以上増加した、と書かれています。
結果として1月の数字では商品に対する支出が2.8%増、サービスに対する支出は1.3%増だったそうです。確かにまだ元気です。
今後は?
しかし予想ではそろそろ限界が来る、と記事では推測されていました。例えばウォルマートCEOのDoug McMillonは、買い物客が食料品などの基本的な必需品にますます集中し、より自由度の高い商品への支出を抑え始めている、と考えて今年の売上高が小幅な伸びにとどまるとの見通しを示していました。
またFRBはインフレを抑制するため、さらに金利を上げることで買い物客の出費を抑えようとすることも、消費を下げる要因となるとのこと。
FRBはインフレを抑制しながら、景気減退の影響をうまくコントロールしてくれるでしょうか?しかしアメリカ人の消費欲について、一般的な日本人の感覚ではなかなか理解できません。
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