米大学バスケトーナメントの収入と配分を探る

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Big Dance at March Madness

最近花粉がすごいです。朝、車のボンネットを見ると真っ黄色だったりします。朝から鬱です。

祝・NCAAトーナメント出場

私が在籍する大学はDiv1というものの、いわゆるパワー5と言われる大きなカンファレンスに所属していないので部活で全国的にスポットライトが当たることはあまりありません。しかしこの度弊学男子バスケ部がカンファレンス・トーナメントで優勝し、マーチマッドネス(March Madness)と呼ばれるNCAAのトーナメントに全米ランキングに関係なく出場することになりました。9年ぶりだそうです。

Louisiana Men’s Basketball Bound For NCAA Tournament As No. 13 Seed

相手はSEC所属のテネシー大学。(全16シードのうち)第13シードですから期待されているわけではなく、失うものもないので気楽にアップセットを狙っていってもらいたいものです。

TV放映

どこでテレビ放映されるのかな、と調べてみました。

2023 March Madness TV schedule, announcers

TNTとかTBSだと特別なプログラムを購読していないと視聴できないのですが、幸運なことに4大ネットワークであるCBSで放映されるようです。

9:40 p.m. (ET)(13) Lousiana vs. (4) Tennessee
Kevin Harlan / Dan Bonner / Stan Van Gundy // Lauren Shehadi
CBS 

ここは中部時間(Central time)なので午後8時40分試合開始とのこと。時間があえば家のテレビで観戦しようかなと考えています。大学でパブリックビューイングでも開催しない限り。

収入は?

主催者の収入

大学のバスケとは言え、このトーナメントもかなりのお金が動きます。下衆な話ですが出場するだけでどれだけお金をもらえるのか、調べてみました。

How Much Does the NCAA Make Off March Madness?

The NCAA typically pulls in about a billion dollars each year in revenue from media rights fees, ticket sales, corporate sponsorships, and a proliferation of television ads anchored around the three-week-long tournament.(NCAAはメディア権料、チケット販売、企業スポンサー、3週間にわたるトーナメントを中心としたテレビ広告の放映などから、通常毎年約10億ドルの収入を得ています。

Investopediaより

ざっくり10億ドル、1ドル130円で換算して1300億円です。さらにNCAAのお金にはならないですが、2022年だと賭けで31億ドルのお金が動いたようです。ちなみに放映権料はいくらぐらいか、と言うと

In 2010, the NCAA signed a 14-year, $10.8 billion contract with CBS Sports and Turner Broadcasting, paid over the term. The deal was extended in March 2016 for an additional $8.8 billion that will keep the tournament on the networks until 2032.
(2010年にNCAAはCBS SportsおよびTurner Broadcastingと14年間108億ドルの契約を結び、その期間中に支払われた。この契約は2016年3月に88億ドルを追加して延長され、2032年までトーナメントを同じネットワークで放映される運びとなった。)

Investopediaより

14年108億ドルということは、1年あたりざっくり7.7億ドルです。メディアの力が大きいことが分かります。

カンファレンスは?

2022年から大学選手でも自分にスポンサーをつけてお金を貰えるようになりましたが、トーナメント側からの支払いはない、とあります。それでは誰がお金をもらうの?というと、まずは各大学が所属するカンファレンスです。日本で言えば東京六大学とかのリーグです。集めたお金の約9割がNCAAからカンファレンスに還元されます。配分額はそのカンファレンスから出場したチーム数や成績に応じて変わってきます。

ユニットという単位で数えられ、トーナメント1試合するごとに1ユニットが与えられます。ある年で優勝すると5試合するので、その大学はカンファレンスのために5ユニット稼いだことになります。2022年の場合1ユニットはおよそ$338,887(約4400万円)の価値があると推測されていました。このユニットは6年に渡り有効、つまり向こう6年間支払われるので実際は$338,887*6=$2,033,322の価値がある、という訳です。

このユニットの数字を足し算していくと、各カンファレンスがどれだけ1大会で稼いだか分かります。足し算が面倒なので、以下のページの図に頼ることにします。

MARCH MADNESS DAILY: ACC, BIG TEN EARN $36.4 MILLION FROM TOURNEY

ACCやBig 10などは18ユニット稼いでおよそ3640万ドル(約47.3億円)、一方でうちのような小さくて弱いカンファレンスは1ユニットで200万ドル(約2.6億円)です。それでも連盟に登録料を払わないといけない日本の状況に比べれば、天と地ですが。また先日紹介したBig 10に所属するネブラスカ大学がいかに恵まれていて、冨永選手らは注目を浴びうるかを理解出来るかと思います。

各大学の取り分は?

アメリカにしては公平だなぁと思うのが、カンファレンスに配分されたお金が出場校だけじゃなく、カンファレンスに所属するチームにも配分されることです。NCAAは加盟校に均等に分配するよう促しているそうですが、実際は各カンファレンスのCEOが各大学の取り分を決める裁量があることも事実です。また複数の収入源を持つ大きなカンファレンスは、お金のほとんどを分割して加盟校に配分しますが、小規模なカンファレンスではその資金を自分たちの経費に充て、残ったお金だけが加盟校に支払われるのが通常だそうです。弱小カンファレンス、厳しい。

実際、弊学だとどのぐらいもらえるのでしょうか?カンファレンスに経費を引かれず、そのまま均等配分したら最大で203万ドル/14チーム=$145,000(約1885万円)となります。各年、6年分に渡るお金が毎年入るわけなので、実際の収入はざっくりこの額×6ですね。

まとめ

3月に毎年行われる米大学バスケのトーナメントを経済的面から紹介しました。日本ではWBCの野球がニュースになっているようですが、残念ながらアメリカの田舎では少なくともこちらの方が、日常の話題になっております。しかし動くお金が違いますね。

コメント

  1. たか より:

    そうそう!トーナメントを見てびっくりしましたよ!
    まさか出てるとは!

    • うちの大学?そうなんです。3点差とは言え負けちゃったけどね。去年からサザンミスも同じカンファレンスになりました。

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