日本発の新型コロナウイルスの薬、日米での報道内容の違い

Foreign media
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承認された新薬のこと、イスラエルでの方策変更のこと

新型コロナ治療薬に関するニュース記事の出方の違い

いつもは英語のニュースの方が色々な情報が得られますが、今回は日本語の方が正確な情報が得られた、という例です。バランスが取れた質のいい報道を望みます。

日本語でのニュース

今回は日本語でのニュースが先に目に止まりました。FDAが新型コロナウイルス感染症向け(入院者のみ)に治療薬「アクテムラ」の緊急使用を認めた、という記事でした。

FDA、コロナ治療にリウマチ薬

大阪大の岸本先生と中外製薬が共同開発した、という下りをみてピンと来ました。炎症系サイトカインであるIL-6の中和抗体だろうなぁと。何故ならば以前所属したラボで、双方に許可を取り日本から薬を送って頂き実験をしたことがあるからです。その時もIL-6を阻害する抗体でした。

IL-6 regulation on skeletal muscle mitochondrial remodeling during cancer cachexia in the ApcMin/+ mouse

英語でのニュース

日本の大学と製薬会社が開発した薬なので、こっちでどのように報道されているかに興味があり調べましたが、最初出てきませんでした。よく調べると薬が中外製薬ではなくロシュ(Roche)で、名前はtocilizumab、ブランド名でようやくActemraであることが分かりました。

FDA authorizes Roche drug for severely ill COVID-19 patients(Fox)

FDAからの発表は以下のリンクから確認出来ます。

Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Authorizes Drug for Treatment of COVID-19

いずれにせよ抗IL-6阻害剤なので、ウイルスそのものをやっつけるのではなく、ウイルスによって起きたサイトカインストームへの対処治療に使うものと理解します。記事の中では投与は点滴らしく、錠剤タイプの薬をもっと開発する必要性が強調されていました。このために外来患者には使えず、入院患者だけが対象なようです。

ロシュと中外製薬は提携しているため、アメリカではロシュやその子会社のGenentechばかりがニュースで紹介されていました。確かに米国内で製造や治験を行ったのはこの会社ですが、開発したのは中外製薬と大阪大学なのでそちらの名前も英語で紹介されてほしいな、と個人的には思いました。

室内でのマスク着用を義務化へ@イスラエル

デルタ株の感染力が高いのはどうやら本当のようです。ワクチン接種率が高いイスラエルではマスクなしを謳歌していましたが、感染再拡大の兆候が見え始めるとすぐさま対策をしました。

Israel Renews Indoor COVID Mask Mandate as Delta Variant Spreads

マスク着用は室内では義務、屋外でも大人数で集まるときは推奨と書いてあります。アメリカもこのように柔軟に運輸してくれるといいですけども、恐らく今後は感染数より入院者数や重病患者の数で判断されるんだと思います。

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