予防のための中和抗体カクテル使用が米国で初めて認可

AZ neutral antibody
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アストラゼネカの中和抗体をFDAが承認

私事ですが、本日期末テストを回収したことで今学期の授業を終了しました。あとはペーパー読んだり、採点作業があったりしますが、来週中頃にはリサーチだけを考えることが出来そうです。今学期もCOVID-19に振り回されて大変な学期でした。

ワクチンのブースター接種は必要っぽい?!

ファイザーからの発表。オミクロン変異体に対し2回の接種完了は重症化を防ぐ効果は継続するものの、ブースター注射(=3回目)をした時と比較すると感染を防ぐ効果は低くなると言っています。

Pfizer Says Booster Neutralized Omicron but Variant May Elude Two Doses

2回接種時の量と比較した場合ブースターは中和抗体の量を25倍にする、と書いてあります。私の知り合いの話だと2回接種して2週間後と約6か月後ぐらいに自分の中和抗体の量を調べたところ、6か月後には20分の1以下に下がっていた、と言っていました。このことから、いつ血液サンプルを採取し中和抗体の量を調べたかが重要になります。記事では最初書いていないなぁと思ったのですが、少し読むと記述がありました。

Blood samples were collected three weeks after patients received their second dose, or one month after receiving their third dose.

(血液サンプルは2回接種してから3週間後と3回目の接種をしてから1か月後に採取した)

これならほぼ中和抗体のピーク時で2回目と3回目を比較しているので、確かに3回接種することを推奨する理由が分かりました。もっともこのデータは査読を経て論文になっていませんし、実際のリアルなデータを収集してオミクロン変異体感染予防に対するワクチン効果を調べるには、まだ数週間かかるようです。また3度目のワクチンは前回2回のワクチンと異なってもいいことになっていますから、違うのを接種するとどう感染具合が変わるかも気になるところです。

アストラゼネカの中和抗体カクテル、米国で認可

アメリカではアストラゼネカ製のワクチンは認可されていませんが、中和抗体カクテルはFDAより緊急使用の認可が下りました。

AstraZeneca Covid-19 Antibody Authorized by FDA as Novel Tool to Prevent Symptomatic Disease

あくまでも予防にはワクチン接種がいい、と強調されていますが、この中和抗体カクテルはワクチン適応不可の方(例、幼い子供)、治療などで免疫機能が落ちている方に予防的に適用することが出来るようになるとのことです。「Evusheld」と名付けられたようですが、開発時の名前は「AZD7442」ですね。ただこの薬は「注入(infusion)もしくは注射(injection)」となっているので、病院のみで予防的に、もしくは感染直後に処方してもらうことになるようです。薬の効果は6か月ほどとか。

米国ではこれ以外の薬で承認を狙っているものだとリジェネロン製の中和抗体「REGEN-COV」やファイザー製の抗ウイルス錠剤「Paxlovid(パクスロビド)」というものがあり、競争は激しい様子です。またアストラゼネカ社はオミクロン変異体に対する効果も現在試験中と言っています。

くどいようですが、FDAはアストラゼネカの中和抗体カクテルはワクチンの代替品ではなく、あくまでもワクチン接種を強く推奨する、と言っています。それでも選択肢が広がることは純粋に良い事なのでは、と私は考えています。

 

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