米国内線、マスク義務を現時点では解除

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公共機関でのマスク着用解除を読み解く

また新型コロナの話題。身近な話だと最近同僚を見かけないと思ったら、新型コロナ陽性で自宅待機とのこと。この方以前はギリギリまでマスク着用に反対し、ワクチン2回接種後は「したから」と学内で着用義務継続中でも拒否していた方。つい最近も私とマスクなしで普通に話をしました。

何が一番嫌って、こういう結果になっているのに誰からも連絡が全くなく、生徒からたまたま聞かされること。もう追跡も報告も何もしていないのでしょうか、アメリカは。

米三大航空会社は顧客に判断を委ねる

先日CDCは公共機関でのマスク着用義務の延長を発表しました。

とは言っても2週間の延長で様子を見るはずでしたが、本日フロリダの連邦裁判所裁判官がこれに対し違憲判決を出しました。これに伴い、米三大航空会社を含む、いくつかの航空会社が機内などでマスク着用義務を解除する決定をしました。

Some major U.S. airlines are dropping mask mandates for travelers

私はアメリカの司法制度に疎いのですが、フロリダでも州の裁判所の裁判官とは違うらしく、連邦裁判官は連邦法に関する事件を管轄しているため、効力がある模様です。他の航空会社はサウスウェストにアラスカ航空だそうです。これ以外にもアムトラックやワシントンDC地区の地下鉄も同様な処置をとることを表明しました。

バイデン政権の対応

政府としては「各機関がこの決定をよく理解し、次のステップの可能性を評価している最中だ」とコメントしました。一方でこの決定によりCDCの決定の拘束力がなくなったことを認め、現時点で職員が公共機関でマスク着用を求めることはなくなった、とも発言しています。

CDC mask mandate for travelers no longer in effect following judge’s ruling, official says

ホワイトハウス報道官は「がっかりさせられた決定」とし、司法省が法的対応について判断することになるだろうとも述べていました。すべてはBA.2の流行次第ですが、どうなるでしょうか?

裁判官の判断根拠

公衆衛生のプロでない裁判官がこのような判断を下す根拠としては、まず「衛生(sanitation)」という言葉に対し、次のように述べています。

衛生に関する法律は1944年に制定されたもので、連邦政府は伝染病対策として「衛生」に関する規制を行う権限を与えられている。法令での使用は、”何かをきれいにする手段 “に限定されたものだ。

Kathryn Kimball Mizelle

これに対し裁判官は自分の見解を展開します。

マスクをつけても何もきれいにならない。せいぜいウイルスの飛沫を捕捉する程度である。しかし、マスクをしている人を「除菌」するわけでも、搬送物を「除菌」するわけでもない。

Kathryn Kimball Mizelle

そして以下のように判断します。

CDCは予防によってCOVID-19の拡散を抑えると説明し、何かをきれいに保つための対策としてマスク着用を要求した。しかし彼らはウイルスを積極的に破壊したり除去したりすることに言及しておらず法律に則さない。

Kathryn Kimball Mizelle

この裁判官の理論だと新型ウイルス流行の大小に関わらず、マスク着用義務に関して法的な根拠から「違憲」と言っているように聞こえます。裁判官はさらに続けます。

結果としてマスク着用義務は衛生管理ではなく、CDCが権力を行使し、ウイルスを撒き散らす可能性があるにも関わらず条件付きで個人の旅行を許可する一方で、マスク着用を拒否する者は拘留または一部隔離させた、と理解するのが適切である。

Kathryn Kimball Mizelle

そして現政権の政策を実施する際に従うべき手続きについて言及します。

バイデン政権はこの政策について公示と意見を求めなかったのは誤りであり、またCDCもこの政策を実施する理由を十分に説明していない。よってこの命令は「恣意的」で「気まぐれな」行動を禁止する行政手続法に違反するという判決を下す。

Kathryn Kimball Mizelle

この判決を読んだ方はどのような印象を持たれたでしょうか?私の態度がこの抜粋に影響を与えるといけないので、判決文全文を記したサイトにリンクを貼っておきます。意欲的な方はこれですべての判決文を英語で読めます。

Case 8:21-cv-01693-KKM-AEP Document 53 Filed 04/18/22

裁判官の素顔

場所がフロリダということで、判決そのものも予測がつくもの、共和党、民主党がどのように反応したかも容易に想像出来ます。特にフロリダ州知事。ちなみにこの裁判官、2020年に前トランプ大統領が指名した方でした。

Trump-Appointed Judge Deemed ‘Not Qualified’ by Bar Association Voids Mask Mandate on Planes, Other Travel

指名時では弱冠35歳、フロリダ大学のロースクールを出て最高裁判事の元で事務職を8年、しかし裁判はインターンだけという経験で終身在位権を持つ裁判官になったとのこと。さらに就任前に米国弁護士協会(ABA)から経験不足を理由に「不適格」と評価された人物です。ゲスな話ですが前大統領が好きそうな感じだけの女性です。これは偏見ですけど。

もっとも上に引用した記事はCNNだったりRollingStone.comですので、どちらかといえばリベラルに偏った意見です。上のリンク先を読まれた方はご自分で判断されることをお勧めします。

まー、どうかね、この裁判官とは思います、個人的に。

まとめ

一般的に言えば支持されると思います。しかし以前のように逆戻りし、マスク着用している人が白い目で見られるだけでなく、迫害に合わないことを希望します。また現実的にBA.2が蔓延し問題になった場合、面倒でも必要な手段をとれる柔軟性をアメリカ国民が持っていることを期待します。

でもここの人は出来ないので、混乱に拍車がかかるに全部。

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