MLBを代表するメッツ・デグロムのマイナーでの調整登板
日本語の記事
今回は日本語のニュースを見て、実際英語ではなんて言ってたんだろう?と思い、逆引きで英語のツイートを調べました。自分の英語の勉強のためです。面白いと思った元記事は以下の記事です。
もしデグロムが最優秀投手に与えられるサイヤング賞を2年連続(2018年、2019年)取り、昨年も投票で3位だった球界を代表する投手だということを知っていれば、たとえマイナーでの調整登板でも対戦する選手はかわいそう、ということが想像出来ます。
アメリカの野球界は昨年末マイナーリーグを再編成してチーム数を減らしました。2021年の今年は
- Triple-A
- Double-A
- High-A
- Low-A
という構成です。この他にシーズンを短くし6月から始まるルーキー・リーグというのがあります。今回デグロムが投げた試合は現在試合が始まっている一番下のリーグLow-Aでした。
英語の記事
英語の記事を探すと話はこれだけでなかったことが分かり、面白いかったです。以下の2つの英語サイトを参考に話をします。
- Cards’ minor league team‘s hilarious Twitter war with the Mets
- Mets’ Jacob deGrom Had Palm Beach Cardinals Twitter Account Begging For Help With His Final Rehab Start
日本語ニュースにはない話、その1
Low-Aであるパームビーチ・カーディナルスはこの日だけでなく、今週ずっと相手投手の先発はメジャーリーグ投手のリハビリ登板でした。嘆きたくなる理由が良くわかります。
- 5/18/2021、Seth Lugo
- 5/19/2021、Noah Syndergaard
- 5/20/2021、Jacob deGrom
メジャーリーグをちょっと知っている人ならシンダーガードの名前も知っていることでしょう。2020年にトミージョン手術を受けて登板していませんが、2017年、18年はメッツの開幕投手です。ルーゴーだって2019年、2020年はずっとメジャーにいる投手です。これを受けて、パームビーチ・カーディナルスは5/21に安堵のツイートをつぶやくのでした。
🚨BREAKING NEWS🚨
We just got the @stluciemets lineup and there isn’t an MLB pitcher starting for them on a rehab assignment for the first time since Sunday.
Everything is right in the world.
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 21, 2021
(訳)ニュースです!(対戦相手の)セントルーシー・メッツのラインナップがわかり、日曜日以来初めて(メジャーからの)リハビリ登板のMLB投手がいない(ことが判明しました)!
日本語ニュースにはない話、その2
そもそも20日にデグロムが投げる、ということを知らされたのは結構突然の話だったようです。
We’re facing Jacob deGrom on less than 24 hours notice..
No pressure whatsoever. #BeachBirds pic.twitter.com/6fu7IrxAZR
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 20, 2021
(訳)ジェイコブ・デグロムとの対決が知らされたのは24時間以内でした。プレッシャーは一切ありません。
このツイートにファンは「24時間以上前に知らされたって、助けになるの?」「←結果は何も変わらないと思うけど」「←チケットを売るには助けになるな」と呼応し面白いです。確かに18, 19日は一般公開をしなかったようですが、デグロムが投げた日は観客を入れることが出来たようです。
日本語ニュースにはない話、その3
試合開始後、パームビーチ・カーディナルスのツイッター担当者はつぶやきます。
「A casual 100 MPH pitch to start the game」(開始早々、軽く時速100マイル(時速160km)投げてる。」
続いて日本語のニュース記事にもあるつぶやき。
Jacob deGrom is throwing 102 MPH…
Someone send help.
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 20, 2021
(訳)デグロムが時速102マイル(時速約164km)投げてる。誰か助けて。
このツイートの返答にはゴジラが口から炎を出して街を焼き尽くすgifが貼られています。そしてほとんど三振に倒れるのを見て、またつぶやきます。
C’mon @Mets, what do you expect us to do with this? pic.twitter.com/ztGLdCiUja
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 20, 2021
(訳)メッツさんよー、俺らにどうしろっていうんだよ(怒)
エラーで出塁したランナーが2塁にいて異常に大きいリードを取っていますが、デグロムは見向きもしません。
結局デグロムは3回で退くのですが、9人の打者に対し8奪三振の完璧な内容。ここでまた担当者は今度はメッツのオーナーに対してつぶやきます。
.@StevenACohen2 will not be receiving a Christmas gift from us this year… https://t.co/4DmCN9dECI
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 20, 2021
(訳)スティーブ・コーエン(メッツのオーナー)、今年はクリスマスプレゼント俺らからもらえないからな。
まぁメッツのオーナーはMLBの中でもお金を持っている人として有名で、彼らからクリスマスプレゼントもらえなくても何ともないはずですが、ジョークとしては面白いです。
これらのツイートに対しようやくメッツ側が呼応します。
We’ll take him back now. Sorry for any inconvenience. 😂 https://t.co/qZXwnRWrKd
— New York Mets (@Mets) May 21, 2021
(訳)今から彼を引き戻しに行きます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
これで解決すると思いきや、パームビーチ・カーディナルスのツイッター担当者はもう一言呟くわけです。日本語のページだと「悪かったと思ってる? 本当に悪かったと思ってるのか?!」と訳されていたのですが、どう英語で言ったか気になりました。探すと以下の文章でした。
Are you though? Are you REALLY sorry? https://t.co/KrjfhsGkEt
— Palm Beach Cardinals (@GoPBCardinals) May 21, 2021
「Sorry for any inconvenience.」に対し「Are you though?」と言ったのですが、「though」をこのように使うとは知りませんでした。アルクの辞書で調べてみると、以下のような訳と例文がありました。
〈話〉全く、本当に◆主に「そうだよね」という同意・確認の疑問文に付加して、強調を表す。
・”This is awesome!” “Isn’t it, though?” : 「これは素晴らしいですね」「本当にそうですよね」
これに沿って訳せば「本当にSorry(迷惑)だよ、ってか本当に迷惑だと思ってる?」って感じでしょうかね。
ともあれ今まで知らなかった用法を知ることが出来ました。やり取りが面白かっただけでなく、勉強になりました。しかしどちらの広報もユーモアありますね。
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