仁義ある戦い?シアトルで起きたマスク非着用が発端となった真昼の喧嘩

Fight between birds
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パンデミックが終了しないとこうなる、という例

アメリカでは今週、陸上競技でのオリンピック代表を決める選考会がオレゴン州で行われます。

U.S. Olympic Track and Field Trials TV, live stream schedule

アメリカは日常を取り戻しつつある、とも言われますが集団免疫を達成するか、ウイルスが消滅しない限り市民の緊張は途絶えないようです。

店員 vs. 客の乱闘@ワシントン州シアトル

Foxニュースがマスクを強制する側とされた側で喧嘩が起きたことを報じていました。シアトルのAce Hardwareというお店で起きたようです。

Seattle Ace Hardware fight over masks gets physical

結論から言うと、この記事は公平に書いてあると思いました。文頭に客が「自分はマスクをしていたものの、友人がマスクをしていなかっために店員に出ていけと言われた。それで外に出たのに、店員がバットを持って出てきて下品な言葉を浴びせてきた」と伝えています。つまり客側が被害者のように描写しています。

ではその映像を見てみましょう。注意にもある通り、言葉が汚いので良い子は真似しないように。

この客が警察に被害を報告したので、シアトル警察は店員から聴取を行ったようです。しかしこの記事の最後では警察が地元メディアに語ったこととして店員側の証言も紹介し、客と店員の話しが食い違うこと、そして自分はマスクとしていたと主張する客もその友人もマスクをしておらず、彼らが喧嘩を始めたという主張を伝えています。

この映像だけでは喧嘩が起きる前に店内でどんな口論があったかも分からず、客もマスクをしていた、と主張している割には映像ではしていません(マスクをしなかった友人が動画を撮った、と記事に書いてあるので、対峙している人が店内でマスクをしてた人のはず。)でもお店の外で外したのかも知れなません。

真相はわかりませんしFoxがいい意味でどのような意図で伝えようとしたかも不明です。ワクチン接種が他国より多少進んだとは言え、少なくともアメリカが日常に戻ったと言うわけではないことだけは言えそうです。もっとも南部だったら銃が出てくるはずなので、取っ組み合いで済んだシアトルは平和かな。

ワクチン接種状況を確認出来る、出来ない?

テキサス州の事例

昨日テキサス州ヒューストンの病院がワクチン接種を拒否した従業員を業務停止とし、それを不服とした人が裁判に持ち込んだものの却下されたという話を紹介しました。

テキサス州では民間施設でマスク着用の義務化を禁止し、規則違反には罰金を与えるというエグゼクティブ・オーダーを州知事が発令しましたが病院は例外でした。

これら2つの事象から分かる通りバリバリの赤い州でも医療機関ではマスク着用を維持する必要がある、という判断だと思いました。また独自で社員にワクチン接種状況を報告する義務を課した金融機関などの話を昨日紹介しました。

ルイジアナ州某大学の事例

私が在籍する学科は将来的に医療系に進学を希望する学生が多く、4年時のインターンシップでかなりの数の生徒を医療機関で受け入れてもらっています。それ以外でも地元の小中高で教育実習をさせています。受け入れ先にも迷惑かけたくないし、学内でも教員、生徒がお互い不安なく授業を勧めるために、人の出入りが多いうちの学部では教職員が率先してワクチン接種済みであることを確認しよう、と同僚と話していたら、以下のようなメールが学長から教職員宛に来ました。以下原文の抜粋です。

Please be reminded that:
  • Employees are required to complete a Daily Self-Check Questionnaire each day before arriving to work;
  • Employees, except for fully vaccinated employees not engaged in a classroom setting, are required to wear face coverings over their mouths and noses in all indoor spaces while on University property unless alone in their private offices or workspaces;
  • Supervisors shall not inquire about the vaccination status of their employees;
  • Employees are recommended to follow Personal Safety Practices regarding use and care of face coverings, cleaning and disinfection, and ways to protect themselves and others. Further, employees are encouraged to seek University resources for managing mental and emotional well-being, as needed; and
  • Employees should refer to the guidelines for specific workplace situations such as office work environments, University transportation, meetings, elevators, meals, and laboratory work for any questions.

1番目は自己申告書で大学に来る際に健康であることを求めるものです。特に体温や酸素濃度などを測るわけでもなく、質問もいくらでも嘘をつけるので意味は全くないです。

2番目は個室以外、室内ではマスク着用維持する通達です。ま、これはいいです。

問題は3番目、管理者は従業員の予防接種の状況を問い合わせてはならない、ときました。なんで学長がこれを決めるかわかりません。大学院生はほとんどGraduate Assistantとして雇われているので身分上employee(従業員)になるのですが、この支持をまともに従うならば大学院生にワクチン接種の有無を聞けないことになります。これは日々の業務で大きな問題を生じます。なぜ学部ごとに判断させず、頭ごなしにあらためてメールを送りつけたか理解に苦しみます。

4番目、5番目は訳すまでもないです。結局は自己責任で各自「常識」に従って行動下さい、という意味です。ま、これもいいです。

ワクチン接種で全米のビリ争いを繰り広げる州では、大学トップもこの程度の認識と思っていただければ幸いです。室内でのマスク着用を必要としている(ただしニュアンスに注意で”mandated”ではなく”required”なので義務ではなく、従ってしなくても罰則はないです)書いただけマシと考えないといけないのかも知れません。

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