機内WiFiの速度と質の違いを学ぶ
8月末から新学期が始まり、新しい場所に馴染んでいない新入生を多く見かけます。そんな生徒さんたちを和ませるために、うちの学科では以下の動物を準備しました。
生後3ヶ月のうさぎです。飼い主によると抱っこもOKで、非常に人気でした。彼らと戯れることで生徒さんが癒やされることを希望しています。
米国航空会社のWiFi状況
自分の経験
米系航空会社のクレジットカードを利用しているので、日本に一時帰国の際でも基本米系の航空会社を利用するのですが、確か2年前に1度だけ共同運航便で日系航空会社の国際便に搭乗したことがあります。人的なサービスという点では圧倒的に日系がいいですが、機内のWiFi及びエンターテイメントという点では米系の航空会社の方が便利でいいなあ、というのが正直な感想です。無論、エコノミー席での個人的な感想です。
私の携帯電話はT-Mobileなので機内で携帯のテキストメッセージは常時無料で利用可、ネット閲覧などのインターネット利用は年4回のフライト(国際線、国内線問わず)で常時無料、これを過ぎても各フライトにつき1時間までは無料利用可だからです。これに対してコードシェア便のANAはお金を払わない(例:30分プラン$6.95、3時間プラン$16.95)とテキストメッセージすら出来ませんでした。航空会社のHPを確認する限り、今も有料な状況は続いているようです。
米国で国内線に乗る限り、テキストメッセージ出来ない路線はほぼなくなりました。インターネット接続するには中長距離のフライト、もしくは大きな飛行機でないと難しいことがまだ多いです。
In-flight WiFiプロバイダとその技術
そんな折WSJで興味深い記事に遭遇しました。
We Tested Wi-Fi on Over 50 Flights. It Often Stinks, but It’s About to Get Better.
(50以上のフライトでWi-Fiをテスト。良くないことが多いが、改善の兆しが)
2024年現在、飛行機で利用出来るインターネットは大きく3つに分かれるとのこと。
- 3G Cellular(第3世代の携帯通信網)
- Geostationary (GEO) satellites(静止軌道衛星)
- Low-earth (LEO) orbit satellites(地球低軌道衛星)
3G Cellular
アメリカやカナダの国内線でいまだに1,380 もの機体(殆どが短距離の地域路線)で利用されているとのこと。これら機体の寿命がそれほど長くないので、このまま使い続けようというのが航空会社の主な戦略とか。ただしデルタ航空やユナイテッド航空、アラスカ航空は2025年末までにこの技術を利用したインターネット提供を廃止する予定とのこと。
通信速度:文字ベースのサービス(テキストメッセージやEメール)のみ利用可能。
技術:地上の携帯電話タワーからシグナルを受信している。
Geostationary (GEO) satellites
デルタ航空、ジェットブルー航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空、サウスウェスト航空、アラスカ航空、ハワイ航空が主に長距離路線や国際線で提供している。利用料金は後述。
通信速度:文字ベースのサービスの他に(運が良ければ)ウェブを閲覧したり、アプリを使ったり、ストリーミングを見ることが出来る。一方で衛星からの応答時間は悪く、SlackやGoogle Docsなど素早い応答が必要なソフトウェア利用には問題がある。記事によるとViasatの平均下り速度は22 Mbps。
プロバイダ:IntelsatやViasat、Panasonic(パナソニック)など。
技術:飛行機はアンテナを宇宙に向け、2万マイル以上離れた軌道にある静止衛星(GEO)からシグナルを得てインターネットに接続する。
Low-earth (LEO) orbit satellites
現在スターリンク(Starlink)がハワイ航空やJSXのような小さな航空会社のみに提供している。インテルサット(Intelsat)は今年後半からGEO衛星とLEO衛星の両方に接続できるアンテナを飛行機に提供する予定。またバイアサット(Viasat)とパナソニック(Panasonicも、同様のデュアルネットワークシステムを航空会社に提供する予定となっている。
通信速度:スターリンクの下り速度は150Mbpsを記録。ウェブやSNS閲覧がより快適になり、Google DocsやSlackなどのアプリの接続も安定。Zoomにより地上との会議も安定して可能に。
プロバイダ:Starlink(運用中)やIntelsat(試験中)
技術:地球低軌道衛星は地球から1,000マイルも離れていないためデータの移動距離が短く、遅延の問題に対処できる。
各社の比較
WSJの記事内でうまくまとめた表があったので抜粋して紹介します。
上に紹介していない AnuvuやThales、Hughesなどのプロバイダが表に記載されていますが、WSJ記者がテストをした50のフライトでは一度も遭遇しなかったとのこと。 またこれらの情報は各航空会社のHPより拾ってきたそうです。
T-Mobileユーザーである私の場合、米3大航空会社を利用する限り無料でインターネットが使えます。それ以外の方は$8~$10の負担で利用可能というところでしょうか。
まとめ
日本の場合、JALもANAも国内線では無料でWiFiを利用出来るようですが、なぜか国際線ではエコノミー席だと有料のようです。また技術的には静止軌道衛星(GEO)を利用したインターネットのようです。
アメリカでも利用にあたり注意が必要の時があります。面白いことに接続が良くないと料金が高くなることがあるそうです。アラスカ航空の広報によれば一部のフライトで33ドルという変動価格が設定されているとか。これはWi-Fi利用を安くしすぎるもしくは無料にしてしまうと、機内システムが利用者全員をサポート出来ないためと説明していました。
アメリカン航空は一般にテキストメッセージも無料でないし、国際線でも1個しか預け荷物無料にならないしで残念です。マイレージで未だに期限があるのは3大航空会社でここだけなんですよね。最近結構乗る機会があるのでここはぜひ横並びになって欲しい。
機内のインターネット利用だけが全てではないですが、皆さん賢く空の旅をお楽しみ下さい。出来ればどこの会社もいち早く地球低軌道衛星(LEO)によるサービス導入を期待したいです。
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