ケンタッキーダービー馬がドーピング検査に陽性、勝利はく奪か?!

doping consipracy in ky derby
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実は競馬でも薬物使用と検査の戦いあり

ケンタッキーダービー勝ち馬、ドーピング陽性

先週ケンタッキー州ルイビルでケンタッキーダービーが行われ、Medina Spiritがレースを終始リードして勝った、という話をしました。

ところがこの馬、レース後のドーピング検査に引っかかり、勝利がはく奪されうる状況に陥っています。

調教師のバファート氏は疑惑を否定していますが、ベタメタゾンというステロイド系の抗炎症剤が血中1ミリリットルあたり21ピコグラム(ピコは1兆分の1)検出されたとのこと。ある程度のベタメタゾン使用は認められているものの、この濃度は閾値の2倍だそうです。メディーナ・スピリット関係者は別に分けて保存したサンプルの再テストを要求する権利があり、そのように対応する予定だそうです。

もし再テストでも陽性の場合、優勝賞金の186万ドルは没収されますが、その馬に賭けて当たった人が払戻金を没収されることはない、とのこと。これは重要です。またもしこの馬が失格となった場合、1968年のDancer’s Image以来53年ぶりの出来事だそうです。

バファート氏が調教した馬が過去に陽性に

この馬を調教したバファート氏、7度ケンタッキーダービーを制覇し2009年には競馬の殿堂入りするような米国競馬界ではレジェンドです。一方で過去に勝った馬から薬物陽性反応が出ており、バファートのやり方に対する監視の目が厳しさを増していたところでした。事実メディーナ・スピリットは、バファートの厩舎から過去1年間に薬物検査に不合格となった5頭目の馬となりました。

Last September, the Baffert-trained filly Gamine finished third in the Kentucky Oaks, but was disqualified after testing for betamethasone. Baffert was fined $1,500 for the violation. (昨年9月バファートが調教した牝馬ガミネは、ケンタッキー・オークスで3着に入りましたが、ベタメタゾンの検査を受けて失格となった。バファートはこの違反に対して1,500ドルの罰金を科せられた。

A few weeks before the Kentucky Derby, regulators in Arkansas upheld a ruling that an illegal substance had been found in two of Baffert’s horses but voted to reduce Baffert’s 15-day suspension to a fine of $5,000 for each horse.(ケンタッキー・ダービーの数週間前、アーカンソー州の規制当局は、バファートの2頭の馬から違法な物質が検出されたという判決をしたが、バファートの15日間の出場停止処分を1頭につき5,000ドルの罰金に引き下げる決議をしていた。)

2個目の引用で引っかかった薬物は書いてありませんが、 局所麻酔に使われるlidocaine(リドカイン)だったそうです。

これだけを読むと、今回もいわゆる馬に禁止薬物を摂取させて勝たせたのではないか、という疑惑が起きるのも理解出来なくはありません。日本とは違いクラシック3冠の第2戦Preakness Stakesは5月15日とすぐなので、そのレースへの参戦も黄色信号が灯りました。

競馬もドーピングと摘発の歴史が

私の専門は運動生理ですので良く知っていますが、オリンピック選手やプロ選手だけでなく、競走馬の運動能力向上に関する研究が長いこと色々となされています。特に競走馬はレースに勝てば直接賞金がもらえますし、勝つことで引退後も種馬として多大なお金を所有者にもたらしますから、ある意味競争具合はこちらのが熾烈かも知れません。

今回検出されたベタメタゾンはコルチコステロイドの一種で競技能力を向上するものではなく、関節痛などによる炎症を迎え痛みや不快感を軽減する薬です。馬に対しても治療に使うことは許可が出ているものの、レース当日で検出されることは違法とのこと。

以下の論文だと96時間空ければ検出されないと書いてあるので、上の話が本当ならレース間近でも使用したことが疑われます。

ケンタッキーダービー勝利がはく奪されてしまうのか、それとも潔白が証明されるのか、しばらくニュースから目が離せません。

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