下院議事場のギャラリーに招待客として参加
前回ワシントンDCに来るまでの話をしました。ここからが出張の本題です。2024年4月11日米国連邦議会上下両院合同会議で行なわれた日本の総理大臣の演説を聴く機会に恵まれました。
ことの経緯は勤務先の副学長が地元選出の国会議員に招待を受け、日本人である(もしかしたら日系アメリカ人と思われているかも)私に白羽の矢を立ててくれ、ワシントンDC行って会議に参加してこい、となった次第。せっかく国会議員から招待されたのだから無下にするわけにはいきませんが、学校代表と当初言われていたのでどんなことを期待されているかわからず、ドキドキしていました。
会議開始前
当日招待してくれた国会議員のオフィス(Cannon House Office Building)に朝9時15分までに来て、と秘書から伝えられていました。下院議員のオフィスビルから一番近い地下鉄の駅はCapitol Southですが、私が泊まったホテルから行こうとすると国会の周りをグルっと回らないといけず時間がかかるので、1マイル弱ユニオンステーション駅から歩くことにしました。
メトロのユニオン・ステーションから地上に上がり、国会(US Captiol)方面に歩きました。
朝8時半ごろでしたが、多くの人がスーツを着てこの辺りを歩いていました。日本だと官公庁がたくさんある霞が関のような所でしょうかね。しばらく歩くとあっという間に国会(US Capitol)に到着しました。
今日は日本の総理大臣が来る、ということであらゆる所で検問及び通行禁止となっていました。普段なら通れるところも通れなかったようです。米国会を横目にもう少し歩くと、目的の建物がすぐに見えました。New Jersey通りの入口から入ってきてね、と言われていたのでそちらの入口を探し、金属探知機の検査を受けた後中に入れました。
どのエレベータを乗っていいか少し迷いましたが、無事招待を頂いた議員のオフィスにたどり着き、スタッフの方と会うことが出来ました。
両院合同会議へ
オフィスでスマホを含む手荷物を預けたあと、世間話をしながら両院合同会議のスケジュールを聞き、早速国会内に案内してもらいました。国会内には上院、下院問わず議員オフィスから地下道でつながっています。
このトンネルの入り口で今日2度目の金属探知機の検査を済ませ、招待状を見せてエスコートしてくれたスタッフさんと一緒に中に入ることが出来ました。スマホは議員オフィスに置いてきたので、上の写真は合同会議後ツアーをしてくださった時に撮影しました。
中に入ると歴史を感じさせる重々しい空間の連続となりました。外務省スタッフなのかSPなのか、何人もの日本語を話す日本人とすれ違いました。こんな時自分は不思議な感覚に陥りましたが、アメリカ側で招待された人なので、彼らに声をかけることはしませんでした。向こうからすれば日本人みたいなのがアメリカ人に付き添われてウロウロしてる、と思ったはずです。
今日の合同会議は議員数が多いため広い下院の会議場で行なわれました。建物的には南ウイングになるはずです。私は会議場ではなくその上のギャラリーにて傍聴でしたので、確か3階に案内されました。つくとそこでも手荷物を預けるところがあり、さらに傍聴席でも会議場内に入る前には金属探知機を通りました(今日3度目)。
私の席はスピーカー席から見て正面右手でした。席の隣にスピーカー席を映す何台ものTVカメラがありましたので、真横の私はTV画面には映らないことをすぐに悟りました(笑)。ギャラリーにはスピーカーから見て左手、私から見て右手には日本からの関係者が固まって座っていましたね。岸田首相の奥さんとか、楽天の三木谷さん、宇宙飛行士の方々とか。
会議始まるまで時間がありましたが、色々と近くにいた人と話しました。皆さん招待客のはずですが、こちらで活躍されている日系アメリカ人の方が多かったです。場所も色々なところから来ていました。それ以外だと議員事務所でインターンしている人や大学のロースクール在学中で、将来こういう所で働くことを目指している方々でした。
スマホ持っていたら連絡先を交換したり、一緒に写真取ったり出来たのに、と思いました。残念です。
総理大臣の演説中
10時半を過ぎると出席する議員が議事場に入って来ましたが、両院合同会議ということで皆お友達議員とおしゃべりし、中々席に着きません。スピーカーであるジョンソンさんと副大統領が拍手の中入ってきてもしばらくおしゃべりが続きます。
11時を過ぎて時間になると、ジョンソンさんが木槌で机かな、ドンドンと叩いて注目するように促し、日本の総理大臣を迎えることを宣言しました。するとスピーカーから見て左奥から岸田さんがにこやかに色々な人と握手しながら入場してきました。見てて彼を一番歓迎するように見えたのは元下院議長のナンシー・ペロシさんかな。既知の友人だったかも知れません。彼女は大きく手を広げてハグするように見えましたが、岸田さんは彼女の両手を取っただけだったので、せっせセーのヨイヨイヨイといった不思議な挨拶になっていました。気のせいであることを祈ります。
その後の演説は既報の通りです。日本のマスコミが報道しましたし、日本語にも翻訳された公式動画が様々な所で閲覧できるので、そのことに触れる必要はないでしょう。
国内であまり人気がないとか、不祥事対応が不十分だとか、訪米までに問題はあったかと聞きます。ただ自分を含めた在米の日系人、日本人としては、異国で長の演説を聴くのは感慨深いものがありました。海外での日本人のプレゼンスが低くなったと言われる中、こちらに招待され国会で直接顔を見せて演説し、日本の立場を現地の言葉で伝えることは重要じゃないですかね。内政問題から彼のジョークに批判の記事があったことを承知し理解しますが、あれはアメリカ人向けのアメリカンジョーク、スピーチで笑いを取るのは大事、ということで私は全く気になりませんでした。
演説後
演説が終わったあと、多くの人が会議場から退出し国会の外に出ました。そこには複数の日本のマスコミ(日◯レとかT◯Sとか)が待ち構えていて、出てきた人にインタビューしていました。私は傍聴した人間として彼らの周りをグルグル歩きインタビューに協力しようとしましたが、全く声をかけられませんでした。日本語、英語、どちらで聞かれても大丈夫だったのに。
絵面的に日本人顔ではなく、アメリカ人というか白人顔が良かったようです。事実、そのような外見の人ばかり声をかけていました。それもどうかね。
以上、米国会の合同会議における首相演説傍聴記でした。貴重な体験が出来たかと思います。
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