体調悪くても働かざるを得ない国、アメリカ

A casher in a restaurant
この記事は約6分で読めます。
広告

有給休暇法がないことで新型コロナ・オミクロン変異種は拡大?!

ラフィエット空港ニューターミナル開業

まずローカルな話にお付き合い下さい。オラが町ラフィエット空港(LFT)で新ターミナルの運用が開始されました。

New terminal now open at Lafayette Regional Airport

そもそもそんな小さな市に空港あったの?と驚く方がいるかも知れませんが、あります。デルタ、ユナイテッド、アメリカンが就航しており、アトランタ(ATL)、ヒューストン(IAH)、ダラス(DFW)、シャーロット(CLT)に毎日シャトル便を飛ばしています。シャーロットを除く他の3都市からは日本への直行便が出ています。

私がここに来たのは2015年8月でしたが、この空港建設をサポートするためその年の4月頭から11月終わりまで1セントながら売上税が徴収され、3300万ドル(約35億円)が費用に回ったとのこと。恐らく数十セントですが私も貢献したことになります(笑)。

現存するターミナルの2倍の面積になり、問題であった荷物チェックポイントが2列(将来的に3列へ増設可)となりました。また待合室には小さい売店しかなかったのが、レストランが出来たようです。

ゲートが5しかない空港ですが、小ささの利点を享受し続けられる(例、チェックインから搭乗までの時間が短い、空港内で歩く距離が短い、荷物がすぐに出てくる、等)作りがさらに改善されていることを希望します。パンデミックが1日も早く収束することを願い、利用出来る機会を楽しみとします。

新型コロナ感染を疑っても働かざるえない事情

先行する都市ではピークアウト?

全米でもニューヨークやワシントンDCなど、感染拡大が早かった地域では感染数や入院患者数が減り始めた、という報道がありました。

Some U.S. Hospitals See Covid-19 Patient Counts Decline as Omicron Retreats

サンフランシスコでもピークが過ぎたのでは?という記事を今日見かけました。

Bay Area health official: Omicron peak seems ‘behind us’

ルイジアナはどうなんだろう?と思い調べてみましたが、感染拡大が早かったのに今も維持している様子です。もともと基礎疾患を持つ患者が多い地域だけに犠牲者の数が気になります。昨日52人、今日37人。これってデルタ株の時とさほど変わらないです。入院患者数も上がってきていて、唯一それほどでもないのが人工呼吸器装着者数でしょうか。

参考データ:LDHより

こんな状態ですが今年は普通にマルディグラのお祭りを開催します、押忍。みんな来てね。

2022 Mardi Gras Parade Schedule

休める人、休めない人

先日書いたブログで、濃厚接触があっても特別な条件を満たす限り自宅待機をしなくてもいい、というCDCのガイドラインについて記しました。

ただしこれは症状が出てない状態の話で、症状がある場合は有無を言わせず自宅隔離をして下さい、ということでした。

このガイドラインに強制力がないのは理解していますが、現実はもっと厳しそうです。

Americans are showing up sick to work even as Omicron spreads
(アメリカ人はオミクロンが拡大し病気になっても職場に現れる)

先日ディーラーに行ってオイル交換をしたのですが、人出が足りておらず随分と待たされました。本当に流通が滞っているのかスーパーに行っても品薄です。レストランやバーも同じ状況なようですが、それら多くの従業員は出かけないと給与をもらえず、もらえないと毎月の請求が払えないので、感染しようが他人を感染させてしまう可能性があろうが、出勤せざるを得ないという話です。また出勤可能な状態のスタッフが少ない状況下で、心許ない上司のプレッシャーにより行かざるを得ないことも要因の一つのようです。

The United States does not have national paid sick laws, unlike most industrialized countries, leaving wide gaps in paid sick leave access, especially in service sector jobs. In March 2021, 41% of service sector employees lacked paid sick leave, according to the latest Bureau of Labor Statistics data, compared with 23% of all private sector workers.

(ほとんどの先進国と異なり米国では国が定めた有給休暇法がないため、特にサービス業での有給休暇取得に大きな格差が生じている。2021年3月の労働統計局の最新データによると、サービス業従業員の41%が有給病気休暇を取得していないのに対し、民間企業全体の従業員で取得していないものは23%であった。)

20年以上前の話ですが、私が日本で会社員をしている時、法律があっても休暇としては取りづらかったです。ただインフルエンザなどで体調を崩した時は「来るな」と言われて有給を消化した記憶があります。会社や部署によりけりですが、今の日本はどうでしょうか?

また記事ではパートタイム(通常労働時間が週30時間以下)だとフルタイムのポジションと比べて有給を付与されていることが少なく、同様な状況でも女性が特に付与されていないことを指摘しています。繰り返しますが米国では労働者に有給を与えるか与えないかは法律がないため雇用者の裁量で決まります。従って雇用される側は労働契約を結ぶときにどの程度もらえるか、確認し交渉することが大事となります。

連邦政府の対応

もちろんパンデミック下で政府は救済策を出していました。2020年3月、米議会は一時的に500人未満の雇用主とすべての公的雇用主に対して、新型コロナに感染した労働者や検査結果を待っている労働者が隔離のために最大2週間の有給休暇を提供することを義務付ける法案を可決しました。雇用主が有給を与えるための費用を補償するための税額控除も提供していました。

ただしこの法案は2020年末に失効を迎えました。その後自発的に給付することを選んだ雇用主に対して政府は税額控除を継続しましたが、これも去年の10月に失効しました。また現大統領は4週間の有給家族・医療休暇を含む社会支出パッケージ法案を提出したものの、決定権がある上院で止まり可決されていません。つまり現在有給付与に関しては、雇用主に完全に委ねられている状態です。

まとめ

少なくともここルイジアナでは、どんなスーパーにでかけても咳こむ音が聞こえます。大学の構内ですらそうです。日本と感染状況が違うのはこんな社会制度に起因するのかも、と思っています。それとも日本でも同じ状況なのでしょうか?他州に住まれている方、日本にいる方、良かったらコメントでお聞かせ下さい。

コメント

にほんブログ村