CDCがガイドラインを改定
数だけで見れば米国そしてルイジアナは今日も感染者数、入院者数で過去最高を記録しています。一方で昨日FDAが12歳から15歳までのブースター注射(ファイザー製)に対して緊急許可を出したことを踏まえ、CDCも推奨を出しました。
CDC recommends Pfizer/BioNTech Covid-19 vaccine boosters for children as young as 12
対象は2回目を接種してから最低5ヶ月経った方、とのことです。大人でもこの期間は6ヶ月から5ヶ月に短縮されました。それでも推奨なので、接種割合は今までと変わらはずです。もうお金配ることもやめていますしね。
単語の再定義
前回たまたまCDCのガイドライン、特にisolationとquarantineの違いについて書きましたが、昨日CDCよりアップデートがありました。
isolationとquarantineの定義がトップに記述されていました(笑)。自分で言うのも何ですが、一昨日の記事を英語で書いていれば時期的にホットな話題だったのかも。
- quarantineー濃厚接触があった場合の隔離
- isolationー症状があった場合、症状なしでも陽性の場合の隔離
濃厚接触は以下のように定義されていました。
Someone who was less than 6 feet away from an infected person (laboratory-confirmed or a clinical diagnosis) for a cumulative total of 15 minutes or more over a 24-hour period (for example, three individual 5-minute exposures for a total of 15 minutes). Learn more about close contact, including exceptions to the definition for K-12 schools.
(24時間以内に累積で15分以上(例えば個別に5分×3回、合計15分となる場合)感染者と6フィート以内で接触があった場合である。小中高における定義の例外を含め、濃厚接触については詳細を確認のこと。)
quarantineしなくていい場合
これはどうかと思うのですが、今回例外を入れています。以下の3例です。
- 18歳以上でブースター注射を含めたワクチン接種を完了している場合
- 5歳から17歳で最初の2回接種を完了している場合
- 90日以内にCOVID-19に感染(ウイルス確認検査で陽性)後、回復した場合
隔離(quarantine)をしない代わりに濃厚接触があった日を0日目として10日間マスク着用すること、そして5日目以降に検査(鼻腔からサンプル採取)を受けることが推奨されています。
quarantineが必要な場合
上の3例に当てはまらない場合、quarantineが必要になります。
quarantineのやり方ですが、前回とほぼ一緒のもののあらためて書き記します。
- 少なくとも5日間自宅待機、他人との接触を避けること
- 濃厚接触後10日間は症状が出ないか観察すること
- 症状が出た場合すぐに検査を受け、isolationに移行すること
- 症状が出ない場合、濃厚接触後5日後以降に検査を受けること
- 陰性の場合、外出OKだが5日間マスク着用を継続のこと
- 陽性で無症状の場合、最低5日間の自宅隔離(isolation)すること。陽性で症状がある場合、完全にisolationに移行すること
- 5日後に検査を受けられない場合、5日間の自宅待機で無症状ならば5日間マスク着用を継続すれば外出可(1)
- 重症化の危険が高い人との接触は自宅待機解除後も最低5日間は避けること
- 可能ならば家の中でも他人と接触を避けること
- 自宅待機が出来ない場合、最低10日間あらゆる場所でマスク着用のこと(2)
- マスクを着用出来ない人は濃厚接触後、10日間自宅待機すること
- 5日間の自宅待機(quarantine)期間は旅行しないこと(3)。5日後以降に検査を受け、陰性かつ無症状であることを確認して旅に出ること。検査を受けられない場合は旅行を10日後以降にすること。10日を待たずにどうしても移動する必要がある場合はマスク着用のこと(3)。マスク着用不可の場合、旅行をすべきではない
- レストランやジムなどマスクを外す所には出かけない。濃厚接触後10日間は家や仕事場で他人と食事をするのと控えること
Isolationは前日と一緒なので割愛します。必要と思ったら後日書き加えます。
つっこみどころ
Fox Newsが揶揄するように説明が長いです。彼らの支持層の文句は間違いなく一理あります。
CDC sparks outrage with ‘confusing’ updated COVID isolation guidance: ‘Seriously?’
上の内容を確認いただけるとわかるのですが、ツッコミどころ満載です。5日間自宅待機後、検査受けるか受けないかがはっきりせず、普通の人なら
「じゃ受けない」
となるはずです(1)。
自宅待機せよ、という話なのに出来ない場合をわざわざ忠告する必要があるでしょうか?これだったら
「じゃ症状がない限り自宅待機(quarantine)しない」
となるはずです(2)。
また5日間は自宅にいろ、というのに5日間は旅行するな、という文言もいらないですよね。
色々な状況に対応する必要があることは理解しますが、あまり賢いガイダンスとは思えませんでした。これなら症状の有無に関わらず濃厚接触後5日は自宅待機、必要に応じて検査。症状が出た場合はすぐ5日間隔離、症状が落ち着き検査で陰性になるまでは自宅待機。公共の場ではしばらくの間全員マスクを常に着用でいいのでは?
これはまるで大学の授業のシラバスのようです(笑)。生徒があの手この手で抜け道を探すのでそれを防ぐべく教員が注意項目を追加、結果、分厚くなり誰も読まない、という悪循環のことを指しています。
結論
CDCのアップデートは空振り、新型コロナ感染拡大に関して米国の状況は変わらないとみました。大多数のアメリカ人は長すぎてこのガイドラインをそもそも読む、理解しようと努力するとは思えません。自分でできる限りの予防をし、パっと流行ってパット下火になるのを待つしかなさそうです。
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