男性向けの経口避妊薬、研究開発中

この記事は約4分で読めます。
広告

マウスでは効果が確認

近況

今週に入り、この辺りではマルディグラのお祭りが佳境に入りつつあります。今のところ今年は寒いのでパレード参加者数は少なめかも知れません。それでも勤務先の大学の周りもパレードコースで、山車が出ている間は交通止め、もしくは大渋滞。仕事する雰囲気ではないです。

帯状疱疹が発生後、2週間が経過しました。先週抗ウイルス薬を1週間飲むのを終え、痛み止めも処方されたものをすべて飲み終わったので、それ以降は何も飲んでいません。当初は痒みが残った、と書きましたが今はそれも消えました。唯一残っているのは、脇の下の患部の発疹で赤みが消えません。これってこのまま残ってしまうのでしょうか?ちょっと心配です。

ジミー・カーターさん、ホスピスケアに移行

週末になり少し時間が出来たので、ニュースの斜め読み。個人的には大統領を勤めた後も一番アメリカに貢献していると思うジミー・カーター元大統領(ノーベル平和賞受賞者)が、自宅にてホスピスケアに入ったそうです。

Jimmy Carter to begin receiving home hospice care

御年98歳、大統領を勤めた方で歴代最高齢だそう。2015年ぐらいに脳腫瘍と診断され、ダメかと思われたときもありましたが、手術を受けては驚異の回復をされてきた方です。ただ今回は病院での治療継続を断り、家族と一緒に過ごせる家に戻ってきたそう。

大統領在任は1977年から1981年。私ですら小さすぎてあまり記憶はないです。ただ就職活動で彼の出身地に近く、支援をしている大学(ジョージア州)を訪問したことがあります。本当に小さな田舎町でしたが、大学内には彼の寄付金により建設された立派なホールなどがあったことを覚えています。状況次第では数年ぐらいそこに籍を置くことはありえたので、勝手に親しみを感じています。

家族と残された時間を大切にして欲しいなと思います。

男性に適用新しい避妊方法?

アメリカ、特に南部では宗教的そして政治的な観点から、中絶に関する女性の権利が時代に逆行していることは以前紹介しました。

そのような地域ではそういう状況を作り出さない環境が必要ですが、科学的に面白いアプローチをした研究が先週発表されました。

A new, experimental approach to male birth control immobilizes sperm

日本の学校では保健で少ししか教わりませんでしたが、米国ではPublic Healthの授業を取ったためにいろいろな避妊方法を学びました。男性にはコンドームやパイプカット、女性にはピルや事後経口避妊薬の服用、IUD装着、避妊リングなどです。今回の記事はNature Communicationsで発表された論文をもとに書かれています。原文は以下で読めます。

On-demand male contraception via acute inhibition of soluble adenylyl cyclase

要旨を読むと

Here, we provide proof-of-concept for an innovative strategy for on-demand contraception, where a man would take a birth control pill shortly before sex, only as needed. (男性が性行為の直前に必要に応じて避妊薬を服用する)。

We show a single dose of a safe, acutely-acting sAC inhibitor with long residence time renders male mice temporarily infertile.(安全で単回の投与により、雄マウスが一時的に不妊になっていることを示す)。

上記論文より

とあるので、オスのねずみではこの開発された薬を服用すると、その都度避妊がすることができる、と読めます。実際にはこの薬、精子が泳ぐのに必要な酵素を阻害する作用があり、物理的にそれが子宮に到達することを難しくする、と説明されていました。その持続時間は数時間で、1~2日後には精子の運動機能が正常に戻るそうです。

まだマウスでの実験段階でヒトで確認されるには時間がかかりそうですが、解決策の一つになればとは思います。

コメント

にほんブログ村