アルバカーキからホワイトサンズ国立公園へ
快適な気候の下でサンタフェの観光名所を巡った後、ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキを経由してホワイトサンズ国立公園に行きました。実はこの過程でトラブルが発生したため、予定より大幅に時間を費やしたのですが、いまだ解決していません。今回はこの話は割愛し、旅行記のみを記すことにします。
ペトログリフ国定公園(Petroglyph National Monument)
行き方
名残惜しくもサンタフェを離れ、次の目的地アルバカーキにあるペトログリフ国定公園を目指しました。ドライブはサンタフェを出た後、I-25を南に1時間程度走るとすぐに行きたい場所が見えてきました。
ペトログリフ
ペトログリフ?と聞いて最初何かわからなかったのですが、昔の人が岩や石に刻んだ文字やデザインだそうです。語源はギリシャ語で「ペテロ(petero)=岩」+「グリフ(glyph)=文字や文様」とのこと。
ペトログリフはここだけでなく日本を含めて世界各地で発見されているようです。ニューメキシコのだとプエブロ・インディアンや他の先住民のもので、ペトログリフ国定公園は数的に集中しているという点で北米でも最大級で、ペトログリフの90%はおよそ1300年から1600年の終わり頃にリオ・グランデ形式で創られたものだと紹介されていました。リオ・グランデ形式のデザインとしてはフルート奏者やダンサー、人の手や足、ピューマや鳥、ヘビ、亀、昆虫などの動物やその足跡、渦巻きや星など。
ビジターセンター
まずビジターセンターに寄って情報を集めました。ここは朝8時半から夕方4時半まで毎日開いています。
ビジターセンター付近にはトレイルがなく、実際のトレイルまで1~6マイルさらに移動しないといけません。ただトレイルがある3つの渓谷のうち、どこが炎天下の中歩いても疲れすぎずそれなりの数のペトログリフを見ることが出来るか聞いた所、Boca Negra Canyonだと言うのでそちらに行くことにしました。
・Boca Negra Canyon:約1時間で回れる舗装された3つのトレイルがあり100個のペトログリフが見れる。トイレ・水飲み場あり。・Rinconada Canyon:1時間半から2時間で回れる未舗装の1つのトレイル(2.2マイル)。200~300個のペトログリフを発見可能。トイレはあるが、水飲み場はなし。
・Piedras Marcadas Canyon:1時間半で回れる未舗装の2つのトレイル(合計約3.2マイル)。300~500個のペトログリフを見つけられるが、トイレ・水飲み場ともになし。
Boca Negra渓谷のトレイル
Boca Negra渓谷はビジターセンターから一番近く、数分で行けます。ビジターセンターからNM-345/Unser Boulevardに戻ったあと左折、しばらく北上してMontaño Roadを超えると右手に案内板がありました。これを右折してAtrisco Dr.を少し走ると渓谷の入口が見えました。
この渓谷の入口にはスタッフが在中する小屋があり、駐車場やトレイルのことを詳しく教えてくれました。トレイルはMesa PointとMacaw, Cliff Baseの3つがあり難易度はそれぞれ険しい(strenuous、約30分)、普通(moderate、約5分)、普通(約15分)ということでした。なお入場は無料でした。
駐車場に車を置き、3つのトレイルを回りました。Mesa Pointは険しいとなっていましたが、距離が短いので大したことはありませんでした。
ペトログリフを見つけることは難しくないのですが、特に説明がなく「ぽっ」っと出てくるので、特に有名なものは整備して説明を入れる案内板があってもいいかな、と思いました。
古代の人は何を思ってこのような絵を書いたんでしょうね。
ちなみにMesa Pointトレイルの一番高い所に行くと見晴らしが良く、アルバカーキ市街を見下ろせます。またその背景には標高約3200mのSandia Mountainsを見ることが出来ます。
後で調べるとSandia Mountainsの頂上に行くアメリカで一番長い(世界で3番目)ロープウェイがあって、10,378フィート (約3,163 m)にあるタワーからは28,000km2以上に渡るパノラマを堪能出来るとのこと。この山間を歩くトレイルもたくさん存在するらしく、次回はゆっくりとここで過ごしてみたいと思いました。
ホワイトサンズ国立公園
行き方
アルバカーキでペトログリフを楽しんだ後、ホワイトサンズ国立公園に向かいました。
I-25を南(Las Cruces方面)に下った後、139出口で降りてUS-380Eに合流。ここからはずっと田舎道で本当に何もありません。Carizozoという小さな街(ガソリンスタンドあり)に出たら右折し、US-54へ。ここをまたひたすら走ると、ホワイトサンズ国立公園に一番近い街Alamogordo(アラモゴード)に着きました。アラモゴードは結構大きな街でガソリンスタンドやレストランだけでなくウォールマートやスタバもありました。
Alamogordoの街を抜けて右折をしUS-70に進路を変えれば、ホワイトサンズ国立公園はもうすぐです。途中右手にHolloman空軍基地の入口が見えます。
ビジター・センター
入口入ってすぐ右手にビジターセンターがありました。ここは9:00 AM–6:00 PMまで開いているのですが、私は6時に間に合わずビジターセンターは既に閉まっていました。お手洗いや水飲み場があるだけでなく、お土産屋さんも併設してるようです。国立公園内の砂は持ち帰り厳禁ですが、友人の話ではここで購入出来る砂はOKだそうです。一方でドローンを飛ばすことも禁止です。
なおホワイトサンズ国立公園の入場料は2024年8月現在で25ドル(車1台)です。開園時間は朝7時から日の入りまですが、実際の閉園は現地日没の1時間後です。閉園でゲートが閉まり、中に取り残されると大変(罰則があるかは不明。パークレンジャーさんに迷惑がかかるという記述はどこかで目にしました。)なので、規則は守るようにしたいものです。
空軍基地の演習があると、開園時間が変わったり、US-70が通行禁止になったりします。自分の希望の日時に演習などがないか、以下のページで確認してから出かけることをお勧めします。
Military Testing Park Closures
真っ白な砂の世界
公園内に入ってすぐに白い砂だけの風景に覆われることはなく、Dunes Dr. という一本道を真っ直ぐ奥に移動する必要があります。公園内の詳細な地図は国立公園のHPを参照下さい。
私たちは日没の30分くらい前にしか入園出来なかったので奥のトレイルがある所まで行けず、手前のキャンプエリアで、真っ白な場所をうろちょろしました。
写真だけではなかなか感動した風景が伝わらないのですが、一面の白い砂は本当に綺麗でした。なおこの日の砂は多少湿っていて、それほどサラサラではなかったです。前日雨が降ったんでしょうかね。
お勧めのツアー
なお今回はタイミングが合わなかったのですが、この国立公園内で行きたかった(参加したかった)ことが2つ。レンジャーがガイドとなって行われるツアーです。
1つ目はルセロ湖ツアー(Lake Lucero Tour)です。公園内のHPに予定日が記載されていますが、11月から3月だけの開催で、8月はありませんでした。チケットは2ヶ月前から販売され、参加費用は大人が$8とのこと。所要時間は3時間でルセロ湖が砂丘発祥の地であることや、白い砂がどのように形成されたか説明を受けながら、セレナイトの結晶が露出した何千もの湖のそばを歩くそうです。ルセロ湖は普段乾燥した湖底ですが、周辺地域に豊富な雨や雪が降ったときは水が溜まり湖になるとか。
2つ目のツアーは月明かりの散歩(Moonlight Hike)ツアーです。ルセロ湖ツアーとは逆に、3月から11月にかけて開催されるツアーですが、8月でも日程があいませんでした。満月の夜に開催で、日没後の1時間半から2時間のツアー(参加費用は同様に大人$8)です。きっとこの日だけはゲートが閉まるのが遅いんでしょうね。周りに明かりがないので夜は真っ暗になるのですが、満月の夜は月の光が砂に反射してとても明るく、自分の影すら見えるかもしれないとのこと。幻想的な風景であること、間違いなし。いつか参加してみたいです。
まとめ
ニューメキシコ州にあるペトログリフ国定公園とホワイトサンズ国立公園への旅行記を記しました。今回は1日で両方の公園を回ることが出来ました。ただペトログリフ見学にはThree Rivers Petroglyph Siteに行き、その後ホワイトサンズ国立公園を訪問すればもっと効率が良かったかなと思います。
またホワイトサンズ国立公園から一番近い街Alamogordo(アラモゴード)は十分に大きく、ホテルもしっかりしたものが複数ありました。公園から十数マイルと近いので、訪問者が日の入りまで公園にいた場合は1時間半(約96マイル)かかるエルパソまで戻らず、ここで宿を取る方が身体的に楽かなと感じました。
私たちはアラモゴードのスタバで一息ついた後、事情があってアルバカーキまで戻りました。到着が午前1時を過ぎてかなりしんどかったです(苦笑)。
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