サンタフェ旅行ガイド:観光スポット、ホテル、歴史的建造物
今回の話は前回の続きです。テキサス州アマリロからI-40に西に向かい、今回の旅の目的地であるサンタフェに移動しました。
テキサス州を抜けてニューメキシコ州に入ると観光案内所(Information center)がお出迎え。中に入ろうとしたら営業時間が午後4時までで間に合いませんでした。
テキサスからニューメキシコに入ると中部時間から山岳時間となり1時間時計の針が戻りましたが、アマリロで余裕を取りすぎました。お手洗いだけすませてI-40に戻りました。
ルート66上の街・ニューメキシコ州トゥクムカリ
テキサス州アマリロを出発して約3時間、給油場所を探しました。アマリロを出てから街らしい街はなく、適当な所で給油をしないとガス欠になりかねません。するとTucumcari(トゥクムカリ)という場所が地図で出てきたのでI-40を降りました。
ちょっと調べるとここもルート66ゆかりの場所のようです。実際走った通りも「Historic Route 66」で、市の真ん中を突き抜ける道でした。
給油のために立ち寄ったのですが、よく調べるとルート66時代から今も経営するモーテルやカフェ、そして博物館などがあったようです。日本人もそれなりに立ち寄るのか、観光案内所でのお土産リストに日本語表記がありました。日本語でネットを検索しても、こんな小さな街なのに多くのブログにたどり着きました。参考までにそのうちのいくつかを紹介しておきます。
- ニューメキシコのカーズの町・トゥクムカリのモーテルと店 Tucumcari, NM
- Tucumcari(トゥクムカリ~ニューメキシコ州にあるルート66の聖地)
- ルート66トゥクムカリ ニューメキシコ州、Tucumcari New Mexico
ボロいと思ったモーテルが実は歴史的なモニュメントだったり、夜のネオンがアイコン的な存在だったようです。自分の勉強不足を後で恥じました。
アメリカの宝石?サンタフェ
I-40をクラインコーナーズ(Clines Corners、出口218)で降り、US-285というハイウェイに乗り換えて北上しました。普通のハイウェイなのでいつ信号が出てくるかわからないのですが、自分の車以外は相変わらず制限速度を超えて飛ばしていました。のんびり走っても1時間ほどで今回の目的地サンタフェに着きました。
ホテル
ここで2泊したのですがサンタフェは観光地のためか、直前に予約したことを考慮してもどこも宿泊料金は高めでした。
Las Palomas
460 W San Francisco St, Santa Fe, NM 87501
ざっくりサンタフェ市内でホテルを探す場合、主な観光地であるダウンタウンのプラザ(Plaza)周辺に徒歩圏で行けるところかそれ以外、特に市内で南西側(空港もそっち)の場所かになります。徒歩圏のホテルは宿泊費が高め、南西側は少し安くなりますが、その代わりプラザなどに行くには車が必要で、観光中に駐車場代も必要になります。
我々は滞在期間が短いこともあり便宜を優先、奮発して前者を選びました。
ホテルの部屋には電子レンジや冷蔵庫、簡易ながら食器が完備し、駐車場や朝食も込みの値段でした。部屋のWifiが弱かったのが残念ですが、それ以外は全く問題なく快適でした。スタッフの対応も非常に良かったです。
長期で滞在する方も少なくなく、知り合いになったのか外のテラスで朝食やお茶しながらおしゃべりしているのが印象的でした。そうそう洗濯機、乾燥機も提供してくれて無料、しかもフロントで洗剤をくれたことは、長旅で持っていく衣類を減らす意味で非常に助かりました。
気候
今回の旅で一番良かったことはサンタフェの気候です。ルイジアナはその週暑く、最高気温が100F近かったのですが、サンタフェは標高約7200フィート(約2194m)と高く、気温は最高で80F半ば(摂氏で30度いかない)、朝晩は60F前半になるぐらい涼しかったです。湿度も低く、日差しが強くても日陰に入れば十分に涼しかったです。街歩きには最高でした。
そう言えば昨年夏の暑い時期も、テキサス州の国立公園内にある標高の高い(約1646mだった)チソス盆地のロッジに泊まりました。
図らずも2年連続して車で行ける距離なのに涼しい場所で過ごせ、快適でした。
観光
自分の世代だとサンタフェと言えば、とある芸能人の写真集が思い浮かびますが、若い人には伝わらないでしょう。まずは代表的なのはその市にある建築物です。
泊まったホテルもそうですがAdobe建築(アドべ建築)と呼ばれるもの。粘土に少量のわらもしくは他の有機素材を加えて水でこね、型どりして天日で乾かす日干しレンガで作った建造物です。日中の熱を吸収することで建築物の内部を涼しいままに保つ一方で、夜にその熱をゆっくりと吐き出し寒さから屋内を守るらしく、この辺りの暑くて乾いた気候に適しているとか。
その材質うんぬんより、建物そのもののデザインの可愛さに目を奪われます。少なくともルイジアナでは見かけないです。
聖ミゲル教会(San Miguel Chapel)
サンタフェにある聖ミゲル教会(401 Old Santa Fe Trail, Santa Fe NM 87501)はプラザなど市内の中心地から見て川の対岸に位置します。
ここは米国最古のカトリック教会(Church)でオリジナルの壁の一部が現存し、今でも定期的に儀式が行われているそうです。サンタフェ市成立かそれより前の1610年ごろから建設が始まったとされ、現存する1628年に書かれた歴史的文書にはその存在が登場しているとのこと。アメリカ建国は1776年ですので、それよりもはるか前の話です。
400年もの間に何度も壊れては再建されてきたとのこと。この間最初はスペイン帝国の支配下にあり、その後メキシコに、そして最終的にはアメリカに移管されたという歴史があります。
夕方遅くに行ったため室内に入ることは出来ませんでしたが、時間内なら入場無料で見学出来ます。
一番古い家(The Oldest House)
一番古い家(215 E De Vargas St, Santa Fe, NM 87501)は道路を挟んで聖ミゲル教会の向かいにあります。De Vargas Street Houseとも呼ばれています。
当初の建築年代は不明なのですが、建物の大部分はスペイン植民地時代(1610年頃)と考えられているそうです。ただ家の一室の下壁の一部がスペイン人入植者が持ち込んだアドベ泥レンガよりも古い、土着の建築技術である水たまりのあるアドベレンガで出来ているらしいです。
博物館というかお土産屋さんの入口から中に入り、左手に進むとこの建物の室内を見学出来ます(無料)。結構中は狭かったかな。またこの建物の奥は観光案内所で車を停めるスペースがありました。
ロレッタ教会(Loretto Chapel)
ロレッタ教会(207 Old Santa Fe Trail, Santa Fe, NM 87501)はすでに教会としては使われず、博物館や結婚式場となっていました。事実2024年8月現在で入場料は10ドル(クレジットカード使用可)でした。
ここには奇跡のらせん階段があることで有名です。その歴史について日本語で秀逸な記事を見つけたので詳細はそちらを参照下さい。
「なぜ立っているのかわからない」世界中の建築家が首をかしげるサンタフェ「奇跡の階段」
上の記事と同様、実際はそれほど奇跡でもない、という記事を見かけました。例えば、、、
Famous staircase magnificent but far from miraculous
宗教そのものが信じることから始まりますから、ごちゃごちゃ言わず奇跡の話を信じている方が夢があるかなと思いました。室内でしばし建築美に触れ、荘厳な気持ちになりました。
因みにこの建物はサンタフェに珍しくアドべ建築ではなくゴシック建築です。
Fort Marcy Parkと殉教者の十字架
上3つの建物はプラザから見て同じ方向(市内から見て南側)にあって近く、歩いて一度に見に行けますが、フォートマーシー公園(Fort Marcy Park)は方角が違う(北側)ので注意が必要です。
別な日の朝サンタフェを見下ろせる丘に十字架があるというので歩いて行ってきました。フォートマーシー公園(Fort Marcy Park)のCross of the Martyrs(殉教者の十字架、617 Paseo De Peralta, Santa Fe, NM 87501)です。その歴史については以下のブログで詳しく書かれていたので、そちらを参照下さい。
別なブログには街の中心部からはもほど近く散歩にぴったりと紹介されていましたが、距離は短いものの歩いて行くにはそこそこ傾斜があり、真夏の昼間に散歩と言うには結構きつかったです。
歩いて登る場合と車で簡単に丘の上の駐車場に行く場合、ルートが違うので注意が必要です。
市街地から車で行くにはPaseo de PeraltaからOstero St.を登り、Kearny Ave.で右折して駐車場に向かいます(赤い線)。歩いて行く場合はPaseo de PeraltaからOstero St.を超え、遊歩道の入口を探します(黒い線)。細い緑の線が遊歩道です。
ここから舗装された道を登っていき、十字架を目指します。
車で丘の上に行き公園内に入ると以下のような看板があり、十字架への道(この辺りは舗装されておらず質素)にたどり着きます。
少し歩くと十字架が見え、サンタフェ市街を見下ろせる場所に到着します。
この丘からしばらく市街地を見下ろしてぼーっとしました。標高だとプラザから50ヤード(約45m)高い丘の上ですが、見晴らしは確かに良かったです。
1846年に建設されメキシコ・アメリカ戦争で唯一残った砦ですが、この高さに設置された14門の大砲は迫り来るメキシコ軍に立ち向かうことも、地元の反乱を鎮圧することも出来たであろうという説明にも納得です。
まとめ
アメリカで一番古い州都にあるこれらの場所は徒歩で十分に1日で回れます。最初の3つは往復2時間程度、最後の丘は夕暮れ時に往復1時間あれば行け、空いている時間にプラザ周辺のお店やレストラン、博物館などを訪問するのが効率いいかと感じました。
そういえば日本語だとサンタフェは「アメリカの宝石」とよく紹介されているのですが、英語で検索してもそのような文章が見つかりません。英語だと「The City Different」とか「Dancing Ground of the Sun」なのですが。アメリカの宝石と呼ばれる所以をご存じの方は教えて下さると幸いです。
その3に続く。
コメント
サンタフェ、まだベトナム駐在中に行きました。
昔の共通の知人がまだ住んでいるとおもいますが、どうなのでしょうか?
彼女は携帯を持っていなかったので。今も携帯持たずにサンタフェに住んでいるのでしょうか・・