改めてマスク着用義務を否決する自治体@ルイジアナ州ラフィエット市の話

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結局、ルイジアナ州ラフィエットではマスク着用されない

新型コロナに関して運動生理的な研究結果の話

木曜日から私が所属する運動生理の地方学会がオンラインであり、参加していました。まだ試験的な研究段階ですが、無症状もしくは軽い症状だった若者でも新型コロナウイルスに感染後、安静時でも交感神経の活動が高まっていたり、生理的なストレスをかけた時に心肺機能の反応が変わったりすることが報告されていました。同僚とうちでも同様なことをやろうか、と以前話はしていましたが、ルイジアナ州内の感染がひどくてつい最近までヒトを用いた実験が実質停止され、新しい手順書を申請しても認可が下りない状態でした。実験の対象となる(感染済みの)学生はたくさんいるんですが、物理的に出来ませんでした。

州の決定とその施行を拒否する市というジレンマ

そもそも1月22日に新政権が公の場でのマスク着用を義務化する大統領令を出しました。

厳密にはこの大統領令、飛行機内や飛行場、連邦の敷地内でのマスク着用を義務とするだけで、州レベルや自治体レベルでの施行を強制できるものではありません。もちろん施行を促すメッセージとは受け取れますが、想像に難くなく現実的には足並みが揃っていないのが現状です。1月22日のワシントンポストの記事ですが、シンガポールや日本だとマスク着用率が95%を達しているのに対し、アメリカは4月当初で40%台、最近でも76%程度だと言われています。

州レベルで見ると、マスク着用を義務化しているのは35州にワシントンDC、プエルトリコです。

このうち4つの州(モンタナ、アイオワ、ノースダコタ、ミシシッピ)は義務化していましたが、解除をした州です。ここにはルイジアナは入っています。州で義務化をしていればその州に入っている自治体は法的に従うのが常だと思いますが、アメリカとは不思議なところでそうではありません。ここラフィエット市は最近、あらためてマスク着用義務に対して議会として従うことを拒否する決定をしました。

州の決定を議論すること、否定すること権利が法的に従属する自治体に権利があるのかどうかわかりませんが、3-2で否決したわけです。それに対して州知事は日本でいう遺憾(口調はそれより強いですが)の意を示しました。

市長のリーダーシップ欠如、そしてラファイエット市議会にその義務を放棄する権限はない、と指摘しています。さらにこの地区はいまだに感染率が高く、入院者数も多く地域医療を逼迫していると訴えています(これは事実です)。これに対して今日、ラフィエット市長が反論しました。

言い訳は、というと義務化するにあたって「(徹底の)難しさ」と「費用」」を挙げた、とのことです。まぁこの程度の市長です。一方で今週、停電、道路凍結の理由により市長から夜間外出禁止令が出されましたが、この施行に関しては「法の施行が伴う」とし、違反をすれば罰金や逮捕があったのですが、強制するしないの点で「マスク着用義務の発効(で強制を出来ないこと)と何が違うんですか?」と質問されると明らかに答えに窮しています。

因みにこれと全く逆なことがジョージア州とアトランタ市で起きていましたね。法があるという建前の国、実際は言ったもの勝ちというアメリカの面目躍如です。

結論、教育・教養の欠如

世の中理屈に合わない政治的判断をする必要があることは理解します。でも法治国家を名乗るのなら、理解できる屁理屈を強く希望します。少なくとも住み続けるのが嫌にならない程度のものを、です。

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