州レベルのマスク着用義務とレストラン内での食事許可がCOVID-19発症と犠牲者数に比例してた、というCDCの研究報告

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マスク着用義務を解除し、レストラン内で食事する意義を検討

大学生の春休みの有無 in 2021

気付くと3月に入り、アメリカの大学では春休みに入るところが多いです。包括的ではないですが、以下のサイトにリストがありました。

一方で大学によっては新型コロナウイルス感染を考慮し、長い春休みを今年は敢えてキャンセルしたところがあるようです。

記事を読むとミシガン州立やパデュー、カンザス州立など中西部のまともな大きな研究大学が名を連ねていました。私が在籍する大学は?というと他の州にはあまりないマルディグラのお休みが早期にあるため、時期は遅れますがイースターと合わせていつも通り長い春休みがあります。北部や中西部の大学生と違い、元々南部にいるので春に大移動はない、という判断でしょうか。元々マスク着用もいい加減ですし、お店もブルーステートに比べれば制限が緩くずっと開いていますから、大学生が流れ込んでもそれほど感染率に違いはないのかも知れません。CNNが注意喚起していますが、どれだけ効果があるかも疑問です。

今までの経過から、人が多く動き感染が拡大するが判明するのはだいたい6週間後、犠牲者が増えるのは2か月後と言われています。4月半ば以降に感染者がまた増えないことを祈るのみです。

CDCによるマスク着用とレストランでの食事に関する研究

今までの研究

今までにもマスクの有効性を訴えた論文が出ていました。Pubmedで「Covid-19」と「mask mandate」をキーワードとしてパッと検索してみましたが、例えば上位3つの論文は以下のようでした。

まぁ程度の差異はあれ、マスクを着用し距離を保つことで感染を減少させることが出来る、という結論をしています。

CDCによる研究

今までガイドラインなどを発行してきたものの、目立った(あったも知れないけど)研究がCDCから発表されてきませんでしたが、ようやく州レベルのマスク着用義務やレストランでの外食を独立変数とし、それを導入することでCOVID-19発症数や犠牲者がどう変わるかについてのレポートが出ました。

タイトルにもある通り、2020年3月1日から12月31日の間、アメリカでの事象を調べていました。全部説明するのは面倒ですので、一番端的な表を抜粋し紹介しておきます。データの信頼性、解釈については原文を参照しご自分で消化してください。以下は私見です。

 a table describing the association between mask mandate and mortality rate change

表1.州レベルでのマスク着用義務と発症(真ん中)及び被害者数(一番右)との変化率の相関です。一番左にはマスク着用義務が導入されてからの日数(例:21-40 days afterは導入後21日から40日後、という意味)です。95%CIのCIとはConfidence Intervalで、ここの区間が0をまたがると統計的にどちらとも言えない、となるのですが、プラスだったら有意に「増加」、マイナスだったら有意に「減少」と言えます。95%とは統計でよく使われる基準で、同じ状況で同じ実験を100回した場合、同じ結果が95回ぐらい出ます、という意味です。確かに「5回」は違う結果が出ることはありますが、通常95回以上出れば統計的に「違いがある」とみなすのが一般的な常識です。p-valueを簡単に言えば「仮説に反する(通常何かあっても影響はない、と仮定して計算をします、上の場合マスク着用しても発症や被害者数に違いがないと仮定します)」結果が出る確率で、p<0.01と書いてあれば「違いがない」という結果が出る確率は0.01つまり1%より小さい、という意味で、つまり「違いがある」という結論になります。ややこしいですが、こんなもの、と思って理解下さい。

要は何が言いたいかと言うと、赤線の囲まれたところにあるようにマスク着用を義務化後、明らかに新型コロナウイルス発症例が減少し(真ん中の欄)、死亡率も下がるのが顕著です、ということです。逆に、、、

A table describing the association between dining in the restaurant and mortality rate
表2. 州が店内での飲食を許可した時の発症(真ん中)及び被害者数(一番右)との変化率の相関では、飲食店の方には残念なデータですが、緩やかに発症数が増加し、被害者に至っては顕著に増加することがデータから読み取れます。

結論

マスク着用とレストランの建物内での食事制限がCOVID-19減少に貢献することがわかりました。国レベルでデータを集めているようなので、信頼性は高いように見えます。一方で政治家的にはこれらを犠牲にしても、経済的に少し開けることでどれだけ経済が回り、雇用維持・創出が出来たかの数字が欲しいところでしょう。もしかしたら精神的な健康にも貢献するのかも知れません。ただ私がぱっと調べた限り、そのような数字をネットで見つけることが出来ませんでした。もし見かけた、という方がいらっしゃったら教えて下さると幸いです。

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