【まとめ】J&J製のワクチン接種解除に関する稀な血栓発生の状況や仕組み、注意

blood in the tube
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J&Jのワクチン接種解除に至る情報を収集

今日は昼過ぎから天候が悪いです。夜にはサンダーストームが来るとのこと。停電がないといいのですが。

ルイジアナ名物・ザリガニを食す

今日は大学で教員・職員感謝デーでした。それを示すために今日は大学側がザリガニ祭りを開いてくれました。専門業者を呼び、日本語で言うと卒業生会館で大量のザリガニを茹でて提供してくれていました。

crawfish catering

パンデミック下なので一つ一つが紙袋に梱包されていました。そこでみんなと食べたい人は離れて設置したテーブルで食べていました。ただ離れて設置していても一つのテーブルに8人ぐらい座っているところがあったんですよね。それだと一人感染者がいれば、そのテーブル全員がアウトだと思うのですが。

crawfish party

結局私はそこで食べる勇気はなく、私は家に持ち帰って食べました。去年は食べる機会がなかったので2年ぶりです。個人的にはソーセージと芽キャベツが入っていて欲しかったです。また混む前に行きましたが、早すぎたのかザリガニのスープへの浸かり具合は浅いと感じました。もう少し後に行って十分に浸かった(辛いけど)ものを取れればよかったな、と思いました。それでも十分美味しく、味を楽しめましたよ。crawfish boil

J&Jのワクチン、一時的な接種中断勧告を解除

FDAの見解

11日間にわたり接種中断を推奨していたJ&Jのワクチンですが、今日それを解除したそうです。

FDA長官代理が「このワクチンは引き続き安全性、有効性、品質に関する我々の基準を満たしていると確信している」と言っていました。具体的にはどうなんでしょうか。

The FDA and CDC said they have identified a total of 15 cases among nearly eight million recipients, all of which occurred in women between ages 18 and 59. Three of the women died and seven remain hospitalized. Officials said symptoms associated with the blood clots appeared between six and 15 days after vaccination.(FDAとCDCの発表によると約800万人の接種者のうち合計15人の症例が確認され、いずれも18歳から59歳までの女性に発生しました。この女性のうち3人が亡くなり7人が依然入院中です。関係者によれば血栓に関連する症状はワクチン接種後6日から15日の間に現れたといいます。)

約800万人で症例数15は約0.0002%なので、少ないのはわかります。でも受ける人、特に女性にとっては自分がそれに相当したら、と心配するのは多いに理解出来ます。どんな薬でも完全に副作用がないものはないことはわかりますが、それが起きる理由、そしてどう対応するかは知っておきたいものです。

どのような血栓なのか?

以下の2つのサイト(イェール大学医学部とサイエンティフィック・アメリカン)によると、J&J社のワクチンを受けて発症したほとんどのタイプの血栓は、脳の静脈洞に現れる脳静脈洞血栓症(CVST)と呼ばれる、特に稀で危険な脳内血栓とのことです。

どのくらい稀かというと通常は1年に2例ぐらい、と紹介されていました。それが今回6件見られたので統計的に「多いのではないか?」と疑われたようです。ただ一番リスクの高い30歳から39歳の女性で110万8千人に一人の割合で発生のため非常に稀であることに代わりはなく、統計的に差異が出てたとしてもワクチンとの関連性を決定づけるのは簡単でないようです。ちなみに起きた年齢層は18歳から48歳の女性で発生はワクチン接種後6日から13日の間とのことです。

起きる原因は?

血栓はもともと外部で出血した際、血を止めるために起きるものです。ただ血管内に形成されると危険で、通常は入院患者や寝たきりの人に多くみられ、その他炎症や感染症、がんに関連する他の医学的問題を抱えている患者に見られるとのこと。また妊娠中や経口避妊薬を使用している女性や血液が固まりやすい遺伝性疾患のある人にも起こりやすいと言われているそうです。

今回ワクチンを接種して脳内に血栓が生じた患者では、血小板の減少が伴っていたようです。血小板は無色の血液細胞で血液が固まるのを助ける働きがあるため、血小板が減る(=固まりにくい)のに大きな血栓が出来るのは「珍しい」ことらしく仕組み的には普通でないとのこと。確かにそうだと思います。

ただ似た事象が欧州のアストラゼネカ社のワクチン接種者で起きていた(CVSTと低血小板症)ことが知られているようです。アストラゼネカ製にしろJ&J製にしろどちらもアデノウイルスをベクター(運び屋)としたDNAワクチンなので、もしかしたらこのやり方に起因しているる可能性があるかも知れません。一方でmRNAワクチンであるファイザーやモデルナ製品では同様な事象が確認されていないことは事実のようです。一方でCOVID-19感染も血管に血栓を生じる原因ではある、と書かれていますが、それじゃワクチンを導入するベクターが問題なのか、それとも免疫を誘導したことが問題なのかは、言及をさけていました。まだ不明なのでしょう。

血小板が少ないのに血栓が出来る原因としては、ヘパリンに起因する血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia、HIT)が疑われているようです。ヘパリンは私が普段使う毛細管にも使われていますが血液凝固を防ぐもの(=抗凝固剤)で、本来「血液をサラサラ」するお薬です。ところがヘパリン治療を受けた患者の中に少数だけれども、血小板第4因子と呼ばれるタンパク質に対する抗体ができることがあるとのこと。ヘパリンは血小板第4因子(PF4)と結合し血小板の数を減らす一方で、その結合によりPF4に免疫原性のある新しい部分出来るので、血液が固まってしまう可能性があるようです。この症状わからなくないですが、J&Jのワクチンの中にヘパリンが入っているのでしょうか?治療で使われるうるものであって、ワクチン接種による直接の因果関係はない気がするのですが、私の理解不足かも知れません。

治療としては血栓症が見られた場合、血をサラサラさせるのにヘパリンを使用せず、他の抗凝固薬もしくは免疫グロブリン製剤を使用する、というのが現在のガイドラインのようです。

18歳から48歳の女性が起こりやすい理由

これはまだ分かっていないとのこと。今男性よりも女性の方が多くワクチンを接種していること、たまたま女性の方がこれら症例を報告されたかも知れないこと、統計上の偶然かも知れないことが紹介されていました。ただこの科学者は「もしかしたら性別と血栓症の可能性に関連性があることが判明するかも知れないけど、私の直感ではそうはならないと思う。」ともコメントしていました。実際はどうでしょうか。

注意すべきこと

EMA(European Medicines Agency、上のリンク参照)はJ&J製ワクチンを接種した人に対し、血栓と関連が疑われる以下の症状に注意するよう呼びかけていました。

  • 息切れ
  • 胸の痛み
  • 脚のむくみ
  • 長引く腹痛
  • 長時間の激しい頭痛や目のかすみなどの神経症状
  • 注射を打った部分以外に出る小さな皮下出血斑

ワクチン接種3週間以内にこれらの症状がみられた場合は、直ちに医療機関を受診することを推奨していますので、今後このワクチンを接種される方は十分にご留意ください。

以上、今日現在でJ&Jのワクチンに関する情報をまとめてみました。ご参考になれば。

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