ルイジアナ州の感染者接触確認アプリを導入、その仕組みを検討

cell phone
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今更ながら新型コロナウイルス接触確認アプリを導入

今日、元副大統領のペンスさんが心臓にペースメーカーを埋め込む手術をしたというニュースが流れました。なんだかんだ言って心労が多かったんだと思います。病状はleft bundle branch blockということですから、肺や全身に血を送る左側の心筋に収縮を促す電気信号が届かない、届きにくくなっていた状態と想像します。一日も早い回復をお祈りします。

州の保健所から携帯に通知が

今日、珍しく携帯電話にプッシュ通知が入りました。発信先はルイジアナの公衆衛生局でした。何かと思ってみてみると、新型コロナ感染者に接触し感染の危険がある場合に通知をしますが、その通知を受信しますか、しませんか?というものでした。

announcement from LDH
発信元を確認しましたが怪しくなかったですし、私は2回目のワクチン接種から今日でちょうど2週間経ったので免疫システムは準備完了のはずですが、断る理由もないので「Yes」をクリックしました。すると「通知受信が可能になりました」というメッセージが来ました。OK to receive notification from LDH

システムについて考える

ただ気になる文が書いてありました。

If you receive a positive COVID-19 diagnosis, you’ll have the option of sharing your diagnosis.(COVID-19で陽性診断を受けた場合、その診断結果を共有するかどうかはあなたが選ぶ権利があります。)

このシステムは匿名で感染者との接触情報を提供するはずなのに、すべての感染者が情報を共有しなければ意味がなくないですかね。あらためてLDHのサイトに行き、システムの内容を確認しました。

ルイジアナは今年1月にシステムを立ち上げたようです。こう書いてありました。

COVID Defense does not collect the location of a phone or individual to detect exposure, and it does not share a user’s identity.(COVID Defenseはウイルス暴露を検出するために携帯電話や個人の位置情報を収集することはなく、ユーザーのアイデンティティを共有することもありません。)

携帯電話の位置情報で接触したかしないかを判断するものかと思いましたが、この情報が正しいならばそうではなさそうです。私が20年以上も前に携帯電話システムの仕事をしているとき1つの基地局のカバー範囲は6km程度(この範囲をセルと呼んでいました)で、人が移動し1つのセルから隣のセルに移る時、当時のスイッチング技術だと切れることがよくありました。今ではその技術や通信システムそのものが改善し都市部では小セル化も進んでいるので位置情報的には精度が上がったと思いますが、それでも数百m程度でしょうから使い物になりません。

一方で衛星を使ったGPSは軍事目的ならかなり高い精度(数cm?)で位置を特定できますが、民間利用の場合は15-30m程度だそうです(以下参照)。これなら感染が判明した人と自分が過去数日接触したかわかりそうですが、使わないんでしょうね。

不思議に思っていたら、LDHのサイトで以下のような文章に目が留まりました。

When COVID Defense is voluntarily activated, the tool uses Bluetooth technology to exchange random tokens between phones without revealing the user’s identity or location. To help ensure these random tokens can’t be used to identify you or your location, they change every 10-20 minutes.(COVID Defenseが自発的に起動されると、そのツールはBluetooth技術を利用してユーザーの身元や位置を明かすことなく、ランダムなトークンを携帯電話間で交換します。このランダムなトークンはユーザーの身元や居場所を特定できないよう10~20分ごとに変更されます。)

Bluetoothの無線技術が使われていました。私がコンピュータ会社にいた1990年後半にその規格はあったものの、携帯電話には搭載されていなかったので思いつきませんでした。普段PCとマウスはBluetoothで繋がれたものを使っているのに、情けないです。日本で導入された(けど動いていなかった)接触確認アプリ「COCOA」と同様でしょうか。確かに距離が短くないと通信出来ないので、こちらのが「接触」という情報を得るには最適かなと思います。LDHではシステムがどう動くか、以下のように簡単に説明しています。

On a daily basis, an individual’s mobile phone will download a list of all the anonymous tokens associated with positive COVID-19 cases and checks them against the list of anonymous tokens it has encountered in the last 14 days. If there’s a match, the app will notify you with further instructions on how to keep you and the people around you safe.(個人の携帯電話は毎日COVID-19の陽性事例に関連するすべての匿名トークンのリストをダウンロードし、過去14日間に遭遇した匿名トークンのリストと照合します。一致した場合、アプリは自分と周囲の人々の安全を守るためのさらなる指示を通知します。)

よくわかりましたが、やっぱり問題は「陽性事例」に思います。感染した本人が共有を希望しなければリストに入ってこないと理解なのですが、それってやっぱり意味あるんでしょうか?匿名なら強制してもいい気がしますが。

私の問題点

運用にあたり私の一番の問題点は携帯電話(スマホ)を携帯しないことです。家に忘れる、バッグの中に入れっぱなし、机の上に置きっぱなしということが常です。それでも折角スマホにアプリを導入したので、通知が来るかどうかしばらく待ってみます。通知が来ないのがベストですが、もし通知が来たらどのような文言でどのような勧告が来るか、ここで報告するつもりです。しかしこのようなシステムが2021年1月導入ってずいぶんと遅かったですね、ここ。

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