米国初の新型コロナに対する飲み薬、緊急承認下りた

FDA approval
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ファイザー製飲み薬、FDAが緊急使用承認

ここ数日、予想通りアメリカではオミクロン変異体の検出、そして感染者数が増えています。特に寒い地域では顕著のようで、例えばハーバード大学では1月の授業をほとんどリモートにする決定をしたようです。

Harvard University announces remote classes for most of January due to rapid rise in omicron cases

コーネル大学では秋学期後、対面での卒業式をキャンセルしました。

CANCELLED December Recognition Ceremony for Fall 2021 Graduates

ルイジアナは?というと、先週バリバリ卒業式を対面でやりましたよ(笑)。しかもうちの大学の場合、教員参加は必須です。個人に選択肢はなく出席も取られます。私もいやいや出席しました。マスク着用義務、のはずですが、参加者のほとんどはしていません。名前が呼ばれ壇上に身内や知り合いが上がれば、横や上にいる観客から大声(奇声?)が上がりました。式が終わったらすぐに退散し、家に戻ってシャワーを浴びました。以上。

新型コロナの飲み薬、許可

パクスロビド

アメリカではCovid-19に対し2つの飲み薬が使用許可申請をしていたことを11月に紹介しました。

このうちファイザー製品であるPaxlovid(パクスロビド)に対し、FDAは緊急使用の承認を本日22日に出しました。

Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Authorizes First Oral Antiviral for Treatment of COVID-19

以前のブログに書いたようにイギリスではすでにメルク(Merck)のモルヌピラビル(molnupiravir)が承認されていますが、アメリカでパクスロビドは初の飲み薬です。もちろん医師の処方箋が必要になりますが、何よりいいのは病院に行って点滴を受けなくていい点です。

対象、服用方法、副作用

服用が対象になるのは軽ー中程度のCOVID-19患者さんで、年齢は12歳以上(体重が40kg以上)で入院や死に至りかねないなど重症化の可能性がある方だそうです。服用の仕方としては感染確認次第すぐ、もしくは症状が出てから5日以内となっています。起こりうる副作用としては味覚の消失や下痢、高血圧、筋肉の痛みが書かれていました。服用の仕方は上にリンクを張った11月のブログに書いてありますので、そちらを参照ください。

あくまでもこの飲み薬はワクチンの代替になるものでなければ、ブースター注射を推奨に代わるものでもない、とFDAは強調していますのでご注意を。

もう一つ、ここには書かれていませんが、当初の出荷は非常に限定的だそうです。

FDA clears Pfizer’s anti-COVID-19 pill

全米でも数万人分程度になる、との見通しなので、今これに頼るのは賢い選択ではなさそうです。

米国、インフルエンザも増え気味

オミクロン変異体が主役になり、感染が増えているとは言え今年のホリデーシーズンは確実に人が動いているので、誰が何を言おうと今後も感染は増えることが予想されます。また昨年は報告が少なかったインフルエンザ患者も少しずつ増えているようです。今のところ今年のメインはインフルエンザA(H3N2)だとか。

Is It Too Late to Get the Flu Shot and How Effective Is It in 2021-2022?

まだ査読を経ていないプリプリントながら、インフルエンザ・ワクチンがこのH3N2とマッチしてない、という論文がU Pennの教授から出て物議を催しているのは知っていますが、ま、インフルエンザのワクチンはそんなもの、と理解しているので驚きません。

実際増えてるのかどうか調べてみると、確かに増えているようです。陽性率は今のところ3.5%です。

Weekly U.S. Influenza Surveillance Report

呼吸器系の問題で病院を訪問している数を見ると、今年度はあまりいい傾向でないことがよく分かります。

flu visit comparison

このグラフは呼吸器系に問題が生じて病院を訪れた患者の割合を示すもので、必ずしもインフルエンザにかかった患者だけをモニターするものではない、という注意書きがありますが(右の太字)、おそらくCOVID-19患者とは区別されているでしょうから、参考にはなります。

日本と米国のワクチン接種の違い

私自身、すでに両方のワクチンを接種済みですが、日米で違いがあることを知りました。日本ではCOVID-19とインフルエンザのワクチンを同時接種出来ないんですね。

日本では原則接種出来ない、と言っているのに対し、アメリカでは「You can get a COVID-19 vaccine and a flu vaccine at the same time.(同時に接種可)」と書かれていました。私が知る限りこちらに住んでいる日本人で少なくとも二人が同時接種を受けていますが、多少の副反応があったものの大丈夫だった、と聞いています。3度目のCOVID-19ワクチンの副反応なのか、それともインフルエンザと同時接種による副反応かわからないけども、とは言っていましたけどね。

日米以外の国ではどうなんでしょうか?

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