アメリカでアジア系ヘイトは身近で起きているのか、検証
昨日2度目のワクチンを打ったこともあり、グッドフライデーでもあったので、今日は家で大人しくしてました。別に痛みなどがあったわけではないですが、よく寝ました。おかげで夜ギンギンに目がさえてしまっています。
身近なアジアン・ヘイト疑惑
最近自分の誕生日があったこともあり、友人からメッセージを頂く機会が多かったのですが、「アジアン・ヘイトとか差別とか大丈夫ですか?」というお気遣いの質問を何回か受けました。まずは起きていることを紹介したいと思います。ニューヨークなど大都市での事件でない限り日本語になることはなかなかないと思われますので。
1. ニューオリンズにおける邦人の強盗被害について
私が調べた限り新聞やテレビのニュースになっていないのですが、在ナッシュビルの総領事館からメールで送られた話(3月23日)です。来た内容をそのまま転載します。
本日午前10時台、ルイジアナ州ニューオリンズ市Holidayに所在する雑貨店の駐車場に邦人女性が自家用車を駐車したところ、黒人男性から「車を降りろ」等と言われ、その後、運転席窓ガラスを割られ、被害者が車を下り徒歩で逃走したところ、追いかけられ、被害者が持っていた車の鍵など貴重品が入ったバッグを力ずくで奪われるという強盗被害に遭いました。コロナ禍の中、ニューオリンズ市の治安は悪化傾向にあり、2020年の殺人事件数は、昨年比で約63%増加しました。今後もこの傾向は続く恐れがあります。邦人の皆様方におかれましては、犯罪発生率が高い地区を訪れないようにし、以下の一般的な防犯対策を参考に犯罪被害に遭わないよう引き続き警戒心を保持して頂くようお願いします。また、不幸にも強盗の被害に遭った場合は、相手が銃や刃物を持っている可能性がありますので、相手を決して刺激せず、金品等を要求された場合は素直に相手に従うようお願いいたします。
まずニューオリンズ市内の「Holiday」と場所が何度探しても不明なのですが、どのあたりなのかわかる方がいらっしゃったらご教授ください。金銭目当てならば最初からアジア人だけを狙いうちした、というより身体的に弱い人を狙った、とも考えられますが、被害にあわれた方が邦人でした。
2. ラファイエットのビジネスオーナーが抗議のさなかヘイト疑惑の表示を撤去
これは地元のTV局からの記事で、ここラフィエット市で起きたことです。
上の記事をクリックするとわかりますが、あるお店のオーナーがお店の入口に「このお店では誇りを持って社会主義者である中国人の入場をお断りしています。」という張り紙をつけていたところ、アジア系アメリカ人をターゲットにしているとの批判を受け撤去したという話です。オーナーは昨年の2月か3月ぐらいから表示していると言い、もともとは新型コロナウイルスに対し抗議を意図して「(発生源と噂される)中国共産党に向けて」掲げたであり「アジア系アメリカ人への攻撃を意図していない。」と話しをしています。
また話の中で「アジア人を想定したこともない、中国人でもない。私の考えにあったことは一度に5,000万人、1億人もの犠牲者を出した中国共産党のことだ。彼らがやってきたことを調べれば調べるほど、ひどいことが分かった。」と言い、新しいバージョンの張り紙にはMoFoを除き、「Chinese」の後に「Party」という単語を加えて「中国共産党」とした、とも伝えています。
私的にはこの話が本当なら確かに巷で言われているようなアジアン・ヘイトではないような気がしますが、紛らわしいです。一つだけ確かなことは、見かけだけ見れば彼らにとって私が日本人か中国人か区別できるとは思えないので、私はこの店には入らない、入れない、ということです。
3. 銀行の窓口担当者が襲われる
ニュースにもなっていませんが昨日、うちの近くで起きたことです。自分とここ2年一緒に仕事をしている学生から連絡がありました。「先生、もしどこか行くときに必要だったら僕一緒に行くから」というテキストでした。何のことかわからず「どうした?」と聞いたら「昨日、銀行で窓口対応の女性が襲われた。たまたま僕もそこにいたから容疑者捕まえるのを手伝った」と言うのです。「その窓口ってアジア系の女性?」と聞くと「そう」という返事だったので、事態を把握出来ました。
窓口で実際どのようなやり取り、口論があったかわかりません。容疑者も白人だったか、黒人だったか、それともそれ以外の人種だったかも(聞けばわかりますが)わかりません。ただ正義感が強い彼(念のため彼はアングロサクソン系のアメリカ人)が世の中の雰囲気を感じ、心配して連絡をくれたのでした。彼の優しさにほっこりしましたが、このようなことがここで起きていることが残念だなとは思いました。
まとめ
アメリカに来て差別的な発言、行動をされたことがあるか、と言えばもちろんあります。それでも20年以上滞在して数回あったことで、現在自分の周りで感じることは実はありません。むしろ気を遣ってもらったり、優しくしてもらっていることも少なくないです。暴力は絶対許されるべきでないですが、程度の差はあれアメリカ人がみな同じ考えである、とも思いません。ただ日本にいるときより私は自分の発言や行動には気をつけていますし、地域に少しでも溶け込み良き隣人になるよう努力もしているのも事実です。こういうことがあることも含めてアメリカ(というか日本でないところ)、と思った方がいいと感じます。まぁこの場であまり深いことを書くのも何なので、興味がある方とは別なところでお話したいです。
すっきりと終われなかったので、今日打った大谷選手の今季一号ホームランの映像を見てすっきりすることにします。
コメント
初めまして。ニューオリンズ在住のMatsuと申します。私もナッシュビル総領事館からの「Holiday事件」を見て、同じ疑問を抱きました。恐らく、「Holly Grove」か「Holy Cross」の間違いじゃないでしょうか。どちらもここ数年で、ずいぶんマシになりましたが、あまり治安が良いとは言えないエリアです。特に「Holy Cross」は若者の間で人気がある「Bywater」のすぐ隣なので、ちょっと注意が必要です。
Matsu様、書き込み有難うございます。やっぱりHoliday地区はないんですね。インターネットでCrime Reportなども調べたのですが、事件を報告する記事を見つけることが出来ませんでした。私はかなり前(2000年-2001年ごろ)に恐らくMarigny地区に住まれていた方を知っていて何度か遊びに行かせていただいたことがありますが、それより東側に行ったことはなくHoly Cross地区もBywater地区も知りませんでした。確かにハリケーン・カトリーナ後、再開発などできれいになった地域もありますが、それでも行く必要があっても十分に注意を払わないと行けない場所はルイジアナ内にたくさんあるかと思います。
貴重な情報有難うございました。