政策転換、ウイルスとともに生きるー感染者数より重症・犠牲者数を重視

political change
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新型コロナ対策で岐路に立つアメリカ

MLB野球のオールスターやNBAのプレーオフ決勝などで観客がマスクなしでほぼ満員になっていますが、それを謳歌し続けることは怪しくなってきました。伸び悩むワクチン接種率とデルタ株蔓延が原因です。

ルイジアナ州感染者数で過去3番目の高値

ワクチン接種率が少ない州ではここのところ毎日感染者数が上がっていますが、ここルイジアナ(人口465万人ぐらい)では今日1日の感染者数がついに5000人超え、5,388人と報告されました。数だけで見れば2020年3月に統計を取り始めて以降で3番目に高い数字だそうです。

State reports 3rd highest single day total of coronavirus cases on Wednesday(地元のTV局)

人口比の感染率では全米ワースト1になりました。10万人辺りで40人を超えていますし、検査での陽性率も10%を超えています。ワクチン接種率も低いので、重症による入院者も普通に増えている状況です。マスクもしなければ社会的距離もとっていない割にビジネスは全開ですから、そのうち被害者もさらに増えるでしょう。

以下の図で黒い点線がルイジアナ、私が強調したわけではなく元々このようにメディアで紹介されていました。ここ最近の上がり方が全米各地(West=西部、Midwest=中西部、South=南部、Northeast=北東部)と比べても際立って高いのが分かります。

Louisiana worse in the US

個人的には7月4日の独立記念日辺りにワクチン打たずに大騒ぎした人たちが運悪く罹患したのかな、と思っています。上の記事にある通り、州知事は「防げるもの」として賢く行動することを呼びかけていますが、それが分かっていれば現状はないはずでしょ?

ワクチン接種率ではカナダに抜かれた米国

友人のFBへの投稿で知ったのですが、少なくとも1回接種した率及び2回の完了率で米国はカナダに追い越されたようです。

上の記事によると1回の接種率でカナダは4日前で全人口の70%近く、接種対象者では80%に至っています。昨日のデータを以下の図でみると全人口比でも70%超えたようです。

2回完了率は以下の通りです。カナダは6月に入って順調に2回めを完了した人が増えているように見えます。

以前カナダ人の友達に「考えることってアメリカ人と一緒でしょ?言語も一緒だし」と言ったら「全然違う」と言われたことがありますが、ちょっと理解出来た気がします。カナダの方が人口が少ないとは言え、この伸びは驚異的です。日本も継続して頑張れ。

新型コロナワクチンの正式承認はいつ?

これは私が購読しているNYタイムズのレターに書いてあったことですが、もしファイザー製のワクチン接種が正式にFDAから許可された場合、およそ2000万人もの接種していない人が接種に傾くだろうと推測されています。

NYタイムズ本体を購読していないので本文をネットで読めませんが、同じような主張が以下の記事で見られました。

Newsom threatens: We might be headed back to lockdowns and school closures if people don’t get vaccinated

すでにファイザーやモデルナは申請しているのでいつ頃FDAが判断を下すのだろう、と思いますが、そのことに関して今日バイデンさんがコメントをしていました。

Biden predicts F.D.A. will give final approval to a Covid vaccine by the fall.

記事によると彼がFDAの判断に介入することはないと言っているものの、、、

“My expectation talking to the group of scientists we put together, over 20 of them plus others in the field, is that sometime maybe in the beginning of the school year, at the end of August, beginning of September, October, they’ll get a final approval” for the vaccines at the F.D.A., Mr. Biden said.
(私たちが集めた20人以上の科学者とその分野の専門家との話し合いでは、学校年度の初め、8月末、9月初め、10月のうちに、FDAでワクチンの最終承認が得られるだろうと考えている」とバイデン氏は語った。)

だそうです。先日アルツハイマー病に対する薬の承認過程において、FDAは内部でかなり揉めましたが、状況を見据えた上でまっとうな判断を常識的なスピードで行ってもらいたいものです。

まとめ

これもNYタイムズから来たレターに書いてあったのですが、そこでの主張は各国が感染者数を減らすことから、感染者は大幅に増えても重症者や犠牲者数を減らすことにシフトしているようです。

This week, England removed nearly all virus restrictions. Germany is allowing vaccinated people to travel without quarantine. Outdoor mask mandates are mostly gone in Italy. Shopping malls are open in Singapore. And countries with zero-Covid policies — like Australia — are rethinking them.(今週イギリスはほぼすべてのウイルス規制を解除した。ドイツではワクチンを接種した人が検疫なしで旅行できるようになった。イタリアでは屋外でのマスク着用義務がほとんどなくなった。シンガポールではショッピングモールがオープンしている。またオーストラリアのようにCOVIDをゼロにする政策をとっている国はその政策を見直している。)

すべての主張を確認したい方は以下のリンクへ。

How Nations Are Learning to Live With Covid-19 Pandemic

もちろん1新聞社の一人の記者の主張ですし、必ずしもこの考えが正しいかどうかは分かりません。少なくとも上に書かれていることがすべて事実かどうか確認する必要はありますが、私の実感ベースでアメリカ政府は少なくともそのような方針であると感じています。従って他国と比べて伸び悩むワクチン接種を進め、それを推進するためにFDAの正式承認を(急かしながら)待っている状態なのかな、と。

個人的にはこの状況下では、個人の権利を優先するより公共政策として誰が接種を完了しているかワクチンパスポートの発行をしてもらいたいです。そうでないと職場で人間関係がギクシャクしますし、私はワクチン接種完了しているのにマスクも結局は外せません。今、室内でマスクを外している人はワクチン接種していないし、する気もない人が大半としか思えないのです。

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