バイデン現政権はどこまでワクチン接種を呼び掛けられるか?
対面授業完全再開に向けて大学からの案内
大学構内で無料のワクチン接種
今週大学より2つのメールが来ました。1つ目は大学に所属する学生や教職員向けに、大学の保健センターが構内で無料のワクチン接種機会を設けるとのことでした。今まで無料のPCR検査場は提供されていましたが、ワクチンの提供は初めての機会です。提供されるワクチンはジョンソンエンドジョンソン製で、予約も受け付けるが、1日の終わりには予約なしでもワクチン在庫がある限り接種するという案内でした。秋学期以降(実際はほぼ夏から)、対面授業を全面的に再開する大学トップの意思の表れと見受けしました。
5月の卒業式、対面で決行
2つ目のメールは、5月の卒業式を外で行うという発表でした。通常大学側から教員はなぜか出席するように言われるのですが、昨年の12月無理やり行った式は自由参加でした(もちろん私は欠席)。当日気温が下がり、外気温(摂氏で)一桁下で霜が降りた野球場で行ったのですが、参加を義務付けられた教員(普段お給料に役職手当がついている人)ですらお気の毒にと思ったぐらいでした。
今回の大学側からのメールで参加義務について連絡はありませんでしたが、学部長からの別便メールで恐らく「義務になる」という見通しを伝えられた。ワクチン接種状況次第らしいけど、顧客サービスに執着する上の人が多いので「参加義務化」に1000点かけます。予想がハズレれることを心から祈っています。
来学期以降はどうなるか?
私が在籍する大学ではまだ指針が出されていません。以前ニュージャージー州のラトガース大学が例外を除き生徒、教職員に対してワクチン接種を義務化したことを紹介しました。
この大学に引き続いて、いくつかの大学が対面授業を再開するために同様な処置を取り始めたようです。Chronicle of Higher Educationによると、4月6日現在で以下の大学がそのような方針を導入するとのこと。
- Brown University, in Rhode Island
- Cornell University, in New York
- Fort Lewis College, in Colorado
- Manhattanville College, in New York
- Northeastern University, in Massachusetts
- Nova Southeastern University, in Florida
- Roger Williams University, in Rhode Island
- St. Edwards University, in Texas
- University of Notre Dame, in Indiana
ワクチン証明なるものは発行されるか?
航空業界やビジネス・オーナーから連邦政府や州が「ワクチン証明書」を発行し、ワクチン接種済みの人としていない人を判別して安全に業務を遂行したい要望が出されています。
一方でフロリダやテキサスなどは「個人の自由」と「個人の健康情報=プライバシー」いう言葉のもとに、ワクチン証明書の提示を求めたり、州当局や組織が発行することを禁じる命令を知事がエグゼクティブ・オーダーとして発令しています。
- Florida governor bans Covid-19 ‘vaccine passports’
- Texas Gov. Greg Abbott bans government-mandated ‘vaccine passports’
これらの記事を素直に読めば、「州から予算を受けている組織」が対象になっているので、州立大学は生徒に対してワクチン接種を義務化することを禁じているように思えます。(注:上のNova Southeastern Universityは私立大学。)結局、ここでも「個人の自由」と「公共の健康と安全」が天秤にかけられることになりました。うちの市でもあるように州が命令しても市が逆らうこともあるので、どうなるかはわかりません。ただニューヨーク・タイムズの記事が心配するように、ワクチン接種証明書を法的に発行する、しないで州間の「格差」が生まれそうです。
少なくとも1回はワクチン接種を受けた方が人口の33%に上り、1日の平均投与数が300万を超えてかなりいいペースになってきているだけに、このような判断は個人的に残念だと思います。ただし法的に見るとどのワクチンも投与の「緊急使用」を認めたのみなので、ワクチン接種や接種証明書提示の義務化を裁判所で争ったら、確かに推進派が勝つのは難しいという意見もよく理解出来ます。
アメリカで予想されるワクチン接種率の状況
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