Cox communicationsの醜い顧客サービス
アメリカあるあるの話をします。私の20年を超す在米経験から導き出す結論ですが、ケーブルTV会社のカスタマーサービスはどこも最低です。日本で考えられる常識のはるか上を行くダメさです。悪い意味でもう慣れたので怒らずあきれるだけですが、これがアメリカン・スタンダード、エンタメとして捉えてもらっても差し支えないです。この程度で怒っているうちは、まだまだ貴方も生粋の日本在住の方です。
経緯
以前はアパートの住人は個人単位でケーブル会社のインターネットサービスを契約していました。つまり自分でダウンロード・アップロード速度を選び月々の支払いを決定することが出来ました。
昨年アパート管理会社が代わり、アパート側が一括して同じケーブル会社からインターネットサービスを提供することを決定。私は今まで下り最高150 Mbpsのサービスを利用していましたが、アパート側いわく「下り最高1 Gbpsの高速インターネットを享受」と謳うので月約15ドルの追加出費もまぁいいかなと思い契約を更新しました。ちなみにこの判断は最後にオチがあります。
トラブルその1
アパート側が一括で新規契約する、といっても既存契約の解除は各自が行わないといけません。また自室で使用していたケーブルモデム兼Wifiルーター(以後ケーブルモデムと略称)は下り300 Mpbsまでしか対応していなかったので、新しいものに替える必要がありました。このケーブルモデムは自分で購入したものでしたが、1 Gbpsも対応するケーブルモデムのレンタルも新しい契約に含まれている、というのでCoxから借りることにしました。
契約の解除など大切なことは対面に限ります。地元にあるCoxのカスタマーセンターに行き、契約状況の確認をしました。面白いことに私がアパート側と新しい契約を済ます前に、ケーブル・インターネットの切り替えは行われていました。切り替え後の個人への請求は$0になっていたので安心しました。念のため担当者の名前と翌月の請求が$0であることのコピーをもらいました。
さらに事情を説明し、新しいケーブルモデムを今もらえないか聞きました。しかしここでは判断出来ないから大口(bulk internet)担当のテクニカルサポートに連絡して下さい、とのこと。電話番号をもらいこの日は家に帰りました。
トラブルその2
家に戻り早速テクニカルサポートに連絡しました。当たり前ですが本人確認を行っても事情を0から全て説明する必要があります。そこで初めてシステム内の情報が確認されました。「カスタマーサービスの人間を訪問させインストレーションしましょうか?」という申し出がありましたが、自分で出来ますし、やったこともあるので「ケーブルモデムだけ送って下さい」と伝えました。すると「それではすぐに新しいケーブルモデムを送ります。3-5営業日ほどで届くと思います。」という返答。この返答に問題はないのでお礼を言って電話を切りました。
しかし数分後「カスタマーサービスの人間を○月○日に送れます。何時の訪問を希望しますか?」というメールが入りました。人は寄越さなくていい、と言ったにも関わらずです。もう一度テクニカルサポートに連絡しました。別な担当者が出て状況をまた0から話すと「それではケーブルモデムだけを送ります」ということで終了。この後メールが来なかったので大丈夫かなと思って待つことにしました。
トラブルその3
2週間ほど待ちましたが、ケーブルモデムは来ません。また同じ番号のテクニカルサポートに連絡しました。当たり前ですが全てを説明し直しました。今度の人は「おかしいなぁ、探したけどオーダーが入っていない」とのこと。それでも「今度は大丈夫、私がちゃんとケーブルモデムを送るオーダー入れたから。3-5営業日ほどで届くはずだけど、もし来なかったらまた連絡下さい。」という話でした。担当者の名前を聞いて書き留めましたが、ファーストネームだけでした。アメリカだとこれが普通ですが、これがまたのちのちネックとなります。
トラブルその4
さらに2週間程度待ちましたが、やっぱりケーブルモデムは届きませんでした。一体どうなってるんだろう?と思い再度テクニカルサポートに連絡しました。前回同様、最初から全ての経緯を話しました。今回はもう2度も連絡して待ってるんだけど、という不機嫌なトーンを声に満載して伝えました。今回の方は状況を確認した後、同じように「オーダーが入っていない」と言ってきました。しかし契約を確認してくれ新しいケーブルモデムを送る必要があることを認識、「僕がセールス部門に確認する」と言って電話は保留になりました。しかし一筋縄にはいきません。
保留が解かれて会話が始まった、と思ったら先程話したテクニカルサポートの人ではなくセールス部門の人でした。
「何の御用ですか?(How can I help you?)」
普通の人なら頭に血が上るかと思いますが、在米20年を超えるとどうにか冷静でいられました。あらためて状況を0から話すと「それならケーブルモデムをお送りします。でも貴方が指定のカスタマーセンターに取りに行くことも出来て、その方が早いですがどうしますか?」とのこと。そのカスタマーセンターはどこですか?と聞くと、1ヶ月以上も前に一番最初に契約解除の確認をし、ケーブルモデムをもらえないか聞いた場所と同じでした。
そんなことだろうと思ったよ(怒)。
トラブルその5
電話した同じ日にカスタマーセンターに行き、事情を話すとすぐにケーブルモデムを受け取ることが出来ました。言うまでもなく担当者は違う人でした。ただし「新しいケーブルモデムを導入する際は機器を認識させるためにテクニカルサポートに連絡し、アクティベートして下さい」とのこと。以前も同じことしたことあるので作業を理解していましたが、今晩帰ってすぐ導入出来るかわからないので「いつ交換作業が出来るか分からないので、しばらく古いケーブルモデムのままサービスを継続して下さい。切り替え日は自分で決め、テクニカルサポートにアクティベートの連絡いれます。」と伝達しました。相手が頷いてOKと言ったので会話を終了。カスタマーセンターを後にしました。
約1時間後、オフィスに戻って仕事をしていると家内からテキスト入電。
「インターネットが落ちてる。モデムが問題らしいけど何か知ってる?」
Cox、期待を裏切りません(怒)。
トラブルその6
すぐにアパートに戻り、新しいケーブルモデムを設置しました。古いケーブルモデムを勝手にネットワークから外された代わりに、テクニカルサポートに連絡せずに新しいケーブルモデムが認識され、部屋の中のインターネットは再開通しました。つまり「アクティベーション作業の必要なし」でした。
これで終わるかと思いましたが、話は続きます。
念のためSpeed testを行いました。もちろんWifiではなく、Cat 6のLANケーブル(= 10GBASE-T)経由です。何度か行いましたが下りで300 Mbpsがせいぜいでした。これだと今までと大差ありません。
少し考えるとすぐになんとなく理由がわかりました。恐らくアパート付近までは光ファイバー経由(fiber optic cables)で送っていて下り最高1 Gbpsを謳っていても、約20年前に建てられた古いアパート内はケーブルTV用の同軸ケーブルでネットワークが形成されているため、部屋の中では元々それほど速度が出ないのでは、という憶測です。
調べてみると古い同軸ケーブルでも技術的には光ファイバーと同様なスピードが出るようです。
Four facts and fables about your internet speed
しかし約3年前の記事ですがCoxが提供する同軸ケーブルによるインターネットは、下り最高で300 Mbpsのようです。この辺りに技術革新の波が来ていないのなら、この数字に納得出来ます。
What’s different between fiber-optic and coaxial cables?
我が家の場合、下り最高で300 Mbpsしか出ないとなるとそもそもケーブルモデムの変更は必要なかった、ということになります。さらに借りてきた新しいケーブルモデムにUSBの口がないので、古い機器では出来たネットワークプリンターや家庭内のネットワークハードディスク(NAS)の接続が出来なくなり、実質利便性が落ちたことになります。
もっとぶっちゃければ、新しいインターネット契約そのものに意義を感じられません。
今後の対応
個人的には自分側の機器の問題で速度が出ていないかどうか、確認作業をしていく予定です。もしこれを確定出来たら、アパート側に事情を説明し、Coxに実現しないのに過大な営業をされて、あなた方は理解せずに受け入れたことを伝えます。そして顧客である住民が不利益を得ていることを理解させます。まぁアパート管理会社の人間はそもそもネットワークの知識なんてないでしょうから、悪人はCoxだとは思いますけどね。
ちなみにそれほど速度が上がらなくても信頼性が上がれば我慢出来ますが、その日の夜、早速インターネットが不通になりました。ここの所1週間に少なくとも1度は落ちる現象で、たとえ短時間でも落ちた場合はCox側に連絡を入れ問題を認識させるようにしていますが、一向に改善されません。
もっともアメリカに住むのなら、こんなこと日常茶飯事です。押忍。
追記:Coxの悪名高さは以下のレビューにも表れています。
Cox Gigablast Review: Is This High-Speed Internet Plan Worth the Cost?
他社より高いのに1月あたりのデータ制限があると書かれ、費用に見合うか?という質問には「Not really」という評価です。しかしルイジアナのような田舎、しかもアパートではインターネット・プロバイダーの選択肢がないんです。とほほ。
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