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学校を秋から開けるためにCDCが新しいガイドラインを発表

CDC guidelines for K12
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米国は今秋、意地でも対面授業を再開

私ごとになりますが、ここのところオンライン同窓会が続いています。日本で大学卒業してから25年以上経ったのですが、卒業後全く会っていなかった同窓(自分の無精もありますが、この間連絡とっていなかったので友人と言うには失礼かなと)と画面越しながら久しぶりに話をしました。皆歳相応に老いましたが、話し方などの癖などは以前のままでした。ほとんどが子供の部屋を占領してオンライン会議に望んだようで、途中で「パパ(もしくはママ)まだ?」と子供が入ってきたことには笑ってしまいました。

CDCの新たなガイドライン

今秋の学校再開に関して、CDCが新たなガイドラインを発表しました。以下のページがそれに当たりますが英語版以外にアジアの言語だと中国語、ベトナム語、韓国語版はありますが日本語版はありません(泣)。従って簡単に和訳して紹介します。日本でも学校を開けるにあたり参考になるかも知れません。

Guidance for COVID-19 Prevention in K-12 Schools

主なポイント

最近変更した点の概要

私見

個人的に注目した点は太線部分の2つ、地域で状況を判断し、極力対面式の授業に戻すこと、という提言です。1つ目についてですが、ワクチン接種率と非対称的に感染の再拡大が局所的に見られるのが現状のため理解出来ます。ただ2つ目はCDCが勧告することなのかな?と疑問に思いました。これも各学校と教職員で話し合いの上で決定すべきと思いますが、現実は決定が(授業を担当しない)上から降ってくるだけです。

目次

本文は以下のようなセクションに分かれています。

  1. COVID-19の小中高における安全な対面式学習のために最も重要な予防戦略
  2. 健康への配慮
  3. 第1節:学校における新型コロナ感染を減らすための予防戦略
  4. 第2節:小中高のために追加の考慮事項
  5. 第3節:学校関係者
  6. 付録1:計画と準備
  7. 付録2: 小中高でのCOVID-19防止のための検査戦略

巻頭言

多くの学校で現時点ではワクチン接種の対象とならない12歳以下の子供たちが通学しているため、本ガイダンスでは生徒、教師、スタッフ、その他の家庭のメンバーなど、ワクチンを十分に接種していない人々を守るために、幾つもの予防戦略(複数の予防戦略を併用するなど)を実施することを重視しています。本ガイダンスは管理者や地域の保健担当者が、適切な複数の予防策を選択し、COVID-19の地域感染が低レベルになった場合や無くなった場合に、学習環境をパンデミック予防時から安全に戻す方法を理解するのに役立つことを目的としています。このガイダンスは最新の科学的根拠と、COVID-19予防策を実施している学校から得られた教訓に基づいています。

このCDCのガイダンスは学校が遵守すべき連邦、州、地方、領土、部族の健康と安全に関する法律、規則、規制を補完するものであり、代替するものではありません。このガイダンスの採用と実施は規制機関や州、地域、領土、部族の公衆衛生部門と協力して、州や地域の方針や慣行に準拠して行われるべきです。

COVID-19の小中高における安全な対面式学習のために最も重要な予防戦略

私が重要だなと思うことを抜粋します。

学校はプライバシーに関することを含め適用される法律や規制に沿って地域の感染レベル(低い、中程度、かなり高い、高い)や地域のワクチン接種率を監視し、小中高での感染者検出を目的としたスクリーニング検査を利用して、地元の公衆衛生当局と協力して地域に必要な予防戦略を決定する必要があります。

例1:

これらの学校では全ての生徒が対面式の授業を受けられるようにするために物理的な距離をとる必要はないが、地域社会での感染率が低くなるか、ワクチン接種率が上がるまではマスク着用の必要性を継続する、と決定する

例2:

これらの学校ではワクチン非接種者にマスク着用を要求し続けるべきであり、物理的な距離を最大限に保つ必要があると、と決定する

日本の基準

健康への公平性

ここにはワクチンを接種していない職員に対する、学校経営者の義務(職務遂行に対する配慮など)を書いてありますが、多くの方に関係ないので割愛します。

第1節:学校における新型コロナ感染を減らすための予防戦略

さらに9つの項目に分かれています。

  1. ワクチン接種の推進
  2. 一貫してマスクを正しく使用
  3. 物理的な社会的距離
  4. スクリーン検査
  5. 換気
  6. 手洗いと咳やくしゃみのエチケット
  7. 病気の時は家にいて検査を受ける
  8. 隔離と検疫を組み合わせた接触者追跡
  9. 洗浄と消毒

項目を見ればだいたいどのようなことが書いてあるか想像出来ますが、ここでは項目4を紹介します。

表1. 小中高でスクリーニング検査を推奨すべき事項(地域社会の感染レベル別)


注1:感染レベルは過去7日間での感染者数とPCR陽性率が以下のときです。

注2:各スポーツのリスクはNCAAが定めている(https://ncaaorg.s3.amazonaws.com/ssi/COVID/SSI_ResocializationDevelopingStandardsSecondEdition.pdf

例:低リスク:ゴルフやダイビング、中リスク:野球やクロスカントリー、高リスク:フットボールやレスリング

注3:高リスクの活動とは、歌や叫び、バンド、運動など呼吸が増加する活動で、特に室内で行われる場合です。

第2節:小中高のために追加の考慮事項

障がいのある方やその他の健康上のニーズ、学校への訪問者、フードサービスと学校給食、休憩時間と身体活動、スポーツとその他の課外活動について記述してあります。屋外では基本マスクが必要ないが、屋内では必要に応じてマスク着用、といった常識的なことが書いてありました。

第3節:学校関係者

学長や校長によく読んで欲しいことが書いてあります。一文節目を訳すと以下の通りです。

COVID-19による重症化のリスクが高い労働者には、高齢者や特定の基礎疾患を持つあらゆる年齢の人が含まれ、ワクチン非接種完了者の間にこのような人たちが含まれます。基礎疾患を持っていたり、免疫力低下薬を服用している労働者は、たとえワクチン接種完了していても完全には保護されない可能性があり、追加の予防策を継続して使用する必要があります。深刻な病気のリスクが高い労働者に関する問題を扱う方針や手順は、雇用機会均等に関する懸念やガイダンスを念頭に置き、産業医学や人事の専門家と相談して作成する必要があります。雇用主はCOVID-19のパンデミック時に労働者が受ける可能性のあるメンタルヘルス上の負担についても理解しておく必要があります。CDCは、学校の管理者が労働者のメンタルヘルスに対する意識を高め、利用可能なメンタルヘルスサービスやカウンセリングサービスを共有することを推奨しています。雇用主は労働者が仕事のストレスに対処し、回復力を高め、職場での疲労を管理するための支援的な職場環境を提供する必要があります。

ただ対象となる方が少ないと思うので、あとは割愛します。

付録1:計画と準備

個人的に気になったことを抜粋しておきます。

緊急時対応計画

ワクチン接種確認

緊急時対応マニュアルの作成は必須かと思いますが、私の職場には少なくとも現在存在していません。私が知らないだけだと良いのですが。

またワクチン接種完了の有無確認は先日ブログで書いた通り、私の職場では学長から聞いてはいけない、というお達しがすでにメールで来ています。その後の動きは位の低い私のレベルでは分かりかねます。

付録2: 小中高でのCOVID-19防止のための検査戦略

CDCでは状況に応じてスクリーン検査の提供を推奨、もしくは義務付けていますが、うちの州、特にど田舎の地域では実行可能かどうか不明です。おそらく推奨されているように実施出来ないところが多数あるはずです。

まとめ

デルタ変異種の米国浸透により、ワクチン接種率が低い州、地域では変更が余儀なくされると思いますが、2021年7月時点でのCDCによるガイドラインをざっと紹介しました。私の理解が正しければCDCは

と言っているように感じました。但しCDCはアメリカ疾病予防管理センターであり、対面授業推進うんぬんかんぬんに関する助言は個人的に越権行為だと感じています。

なお必要に応じて訳を追加しますが、取り急ぎこんなことがアップデートされていました。在米の方だけでなく、日本にいる方にも参考になれば幸いです。

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